第2章 ラストJC
結局オールマイトの家にお世話になることになり、その日はもう遅いので手荷物だけ持ってオールマイトの家に帰った。涙が止まったと思えば急に頭が痛くなってきて、家に着いてすぐに横にならせてもらった。
翌日も少ししんどくてずっと寝ていた。オールマイトはお粥を作ってくれて、オールマイトが家事とか似合わないな、なんて考えながらお粥をいただいた。それからオールマイトは街の巡回をするため、家を出ていってしまった。
それから暫くして、巡回から帰ってきたオールマイトといろんな話をした。したと言うより聞いた、のほうが正しい。
まず、何故こんなにも私の個性について詳しいのか。自分でもよくわかっていないのに。天使の個性については信憑性の高い都市伝説として、話題になった時期があるんだとか。どんな個性婚をしたらどんな個性が生まれてくるか、専門者が議論した時に出てきた個性の1つだそう。オールマイトも多少は知っていても、どんなリスクがあるかなどは知らないらしい。
次にデクとの関係。これはかなり謎に思っていた。まずNO.1ヒーローと関わることなんてそうあることではない。実際自分はそうなんだが。
オールマイトは長い時間をかけてちゃんと話してくれた。オールマイトの個性のことも、雄英高校入試に向けての特訓のことも。そういえばデクは雄英の入試を無事受けることが出来たらしい。今は結果を待つのみ。
「そこで2つ提案があるんだが…」
『なんですか?』
「少女も雄英に入らないか!?」
『えっ!?』
ムキッとアメコミ風に姿を変えて、白い歯を輝かせるオールマイト。雄英に入らないかって、私常並高校受験したんだけど。その事を話すと、謎のポーズを取りながらドンウォーリー!と叫ばれた。
「さっき私が雄英の教師を務めることを話しただろう。少女のことを学校側に話してなんとかならない掛け合ってみよう。これほどの個性を持つ者が、ヒーロー科以外に進学するなんてナンセンスッ!!!」
確かにこの事件があってから、ヒーロー科もいいなとは思っていた。それはやっぱりピンチの時に助けてくれた、オールマイトの存在があまりにも大きいからだ。前からオールマイトのことは知っていたけど、実際に彼と出会って、オールマイトに憧れる気持ちが日に日に増していくのを実感している。