第4章 第一夜
「……」
奏は近くあった机に向かい引き出しから何かを出し悠太に渡す
「……?手紙?」
彼に渡したのは差出人の書いてない手紙だ
だけど、彼宛ての手紙の差出人に意外は人物からだった
「夕紀さんからアナタ宛てに書いた手紙よ」
「……!母さんから…」
「もちろん中身なんて知らないから安心して」
「……」
隣で話を聞いてる華澄と圭斗も驚きを隠しきれていない様子
奏は普段から自分のことをあまり言わないため二人も彼女の素性や詳しいことは知らないのだ
「その手紙を読んで今後どう動くは篠原くん次第よ」
「え…それってどういう…」
「いい返事を待ってるわ」
そう言って奏は部屋を出ていく
部屋に残された三人はまるで緊張が解けたかのようになり座り込む
「…ったく、奏のやつなんなんだよ…」
「いまの話聞いて心臓が止まるかと思ったぁ…」
二人が、はぁ…とため息してる中悠太は母親からの手紙を見つめていた
(母さんからの手紙…)
「ん?どした悠太」
「いや…」
言葉を濁らす悠太に圭斗はそれ以上問うことはなかった
いや、出来なかったのだ