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【ヒロアカ】Don't touch me.【轟】

第8章 Belief



私はヤマゴン達と共に避難所に乗客を送り届けた。避難所は警察とヒーローが警備を固めている。
米田さんは怯えた様子もなくヤマゴンに従って避難を済ませた。

「今日はお忍びでパーッとやるつもりだったけど無理そうだね」
「残念だけどね。ここで一夜を過ごすことになりそうだよ。悪いね、コメちゃん」
「いや、いいさ。ヤマちゃんに護衛頼んで正解だったよ。君がいなきゃ私パニック起こしてたよ」

米田さんは笑ってペットボトルのお茶を床に置いた。

「君はご友人を探しに行くんだろう?気をつけてね」
「すみません……任務の途中なのに」
「いいんだよ。私はヤマちゃんがいるから大丈夫。ケン、お嬢さんをきちんと守ってやって」
「勿論ですよ!では、米田さん、くれぐれもヤマゴンから離れないで下さいね」

ヤマゴンと米田さんと別れ、避難所を後にした。
遠くの方で火災が起きている。緑谷くんはそっちに向かって行ったようだった。
ケンと共に走ると現場に近づくにつれ騒動は激しくなっていく。

脳無は新幹線を襲ったあの一体だけでは無かった。
全部で何体いるの?
目のない巨体に、空を飛んでいるものもいる。

ケンが前を走り、騒ぎの大きい所を避けながら狭い道を行く。
ふと腰に振動を感じウエストポーチから携帯を取り出すと、メールが来ていた。緑谷くんからだ。

緊張しながらも急いでメールを開くと文章のひとつもなく、ただマップとアドレスが表示されている。

──ここで何かあったんだ……!

直感が告げる。彼が危ないと。
アプリを起動し目的地へ急ぐが、前を走っていたケンの姿がいつの間にか消えていた。私は歯を噛んで足を止める。

「ケン!」

しばらく呼んで待ってみても返事はない。
どうしよう、はぐれてしまった。でも何も言わずに行くわけにはいかない。あぁ、ケンの連絡先聞いておけばよかった。

苦肉の策だ。アプリに表示された目的地までのルートを目に焼き付け、自動消灯をオフにした携帯を路地の真ん中に置いた。

ケンが私を探してここに戻り、携帯に気がついてくれる事を祈って。


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