• テキストサイズ

【ヒロアカ】Don't touch me.【轟】

第8章 Belief



ビルの影で昼でも薄暗い路地。表通りと違って人通りはほとんどない。一度ごみ捨てをする人を見かけたくらいだ。
ヤマゴンのはためく黒いマントを早足で追いかける。

「ヒーローたるもの空いた時間は鍛錬!」

ヤマゴンの脚は膨れ上がり、隆々たる筋肉が己を主張している。彼の個性は『筋肉増強』。力を込めた部位がムキムキになる。

その姿はバトル漫画に出てくる凄腕の格闘家みたい。本当、何度見てもご老人とは思えないほどの筋肉だ。

早足で歩くのもしんどくて、私は強く地を蹴った。

「も、もう走ります!」
「ファイト!マリー!」

隣にやってきたケンは白い歯を覗かせて眩しい笑顔を向ける。この人も当然の如く余裕そうに両足ジャンプだけで進んでいる。

なぜ私だけ走っているのだろう。
そもそもなぜ二人はこんなに速いのか。筋肉とかそういう問題じゃないような。

「そういえば!ケンの個性はなんですか?」
「俺?能力強化だよ!身体能力をアップ!パワー、スピード、ジャンプなんかの力が跳ね上がるよ」
「へえー!オールマイトみたいですね!」
「あははっ彼には適わないけどね!でもトップヒーローと似てるってのは嬉しいよ」

オールマイトの個性は公表されていないけれど、恐らく増強型とされている。ヤマゴンもケンも同じ増強型だ。
ケンの個性は同時に二つ以上の能力は上げられないのと、スタミナは変わらないから長期戦には向かないらしい。

「雄英では散々体力底上げ、能力上限の向上をしたよ。マリーもそのうちそういう個性を伸ばす訓練をするだろうね!」
「ケン!お前さんはお喋りが多いぞ!」
「はーいごめんなさーい!」
「伸ばすんじゃない!」

あれ、こんな感じのやり取りどこかで見たような?

ぷりぷり怒るヤマゴンとあまり反省していない顔のケン。
いいコンビなんだな。
二人の仲の良さに小さく笑った。


そうこうしているうちに私達は目的地に到着した。

/ 129ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp