• テキストサイズ

-忍たま乱太郎- くのたま物語

第1章 *序章*


『ざっと……こんな、もん……』

小さく男の名前を呟く百合。


『っなぜ……忍軍がここに……』
『偵察、とでも言っておこうか……さて……』

『『っ……』』

雑渡混奈門と名乗る忍者は一家をぎょろりと見下ろした。


『貴方方は、もう……生きていることが厳しい状態のようだね。
すぐに、楽にしてあげよう……』

_スッ……


混奈門は懐から苦無を取り出しす。


『っ!?』

百合は大きく目を見開く。

『私たちは、殺されても構わない……でも、でもこの子だけは……助けてく、ください……
まだ、5歳なんです……せめて、この子だけは生かして……』
『頼み、ます……百合だけは、見逃してくれ……』

両親は朦朧とさせながら混奈門に背がる……。

『お父さんお母さん!?』




『……わかった。貴方方の望み、叶えましょう……』

混奈門がそう呟くと、その場にしゃがみ込んだ。

『っ……お父さんとお母さんを殺すの!?』
『君は、目を閉じてなさい……』
『っいや!!!お父さんとお母さんを殺さないで!!』

百合は混奈門に掴みかかった。

『これは君の両親の願いだ。最後くらい、両親の言うことを聞いてあげなさい……』_スッ…

そう言うと混奈門は百合の目を左手で覆い視界を遮った。

『っいやぁぁ!!
おとうさぁぁん!お母さぁぁん!!』



そして鋭利な苦無は両親へ……


_ザシュッ!!
ザシュッ!!


振り下ろされた……。
















『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』



まだ幼き5歳の少女、百合の叫び声が戦火の中燃える村に響き渡った……。






/ 18ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp