【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第15章 好きという気持ち
「いやぁ、悪いねぇ!ベルツリー急行で散々な目に遭わせてしまった埋め合わせに…伊豆高原の別荘に招待してくれるとは!」
約束の日。
先輩の運転で蘭さん、コナンくん、園子さんは伊豆高原に向かっていた。
運転を途中で交代しながら、助手席に私は座っていた。
「でも別に…埋め合わせなんていいのに」
「っていうのは、ついでで…実はテニスの特訓にをしに行くのよ!」
テニス。
…そういえば零、得意だったなぁとぼんやり思い出してしまうのが嫌になる。
「大会が近いんですか?」
考えを消すように園子さんにバックミラー越しに話しかけて。
「大会よりもビックなイベントが舞い込んで来まして!」
とにかく見てくださいと携帯端末から動画をバックミラー越しでもみれるよう再生する。
その動画は、園子さんの彼氏さんがテニスデートに誘っていた。
なんだか、むず痒くなる。
私もそういう気持ち味わいたいなぁとぼんやり思いながら。
「でもそれなら特訓しなくても」
「馬鹿ね!私はテニス部員よ!!素人相手に簡単にひねられるわけにはいかないんだから…」
「ふふ、…分かるなぁ、その気持ち」
零に何か一つでも勝てることが欲しくて。
伊達さん達に教えてもらって影でコソコソと練習してるのが何度もバレては自分を頼れと言ってきた零を思い出して。
「○○さんも?」
「学生時代の話ですけどね」
「でもわたしもお父さんも、園子に教えられるほどうまくないよ?」
それもそうだ。
現役テニス部員と、比べるなんて。
「その点は大丈夫!ね!小五郎おじ様」
「おう!丁度いいスペシャルコーチを用意したからな」
スペシャルコーチ。
私を先輩が横目に見てニカッと笑う。
…なんだ。
なんだろう。
私が、連れて来られた理由。
まさか。
そんなことを期待するのも馬鹿馬鹿しくて。
「園子さん、私もテニス混ざって良いですか」
「勿論です!」
含むように笑顔を向けられて。
「○○さん用にテニスウエア用意してるんで是非着てください!」
なんで用意してあるのか、そんなもの。
別荘について、荷物を降ろしてテニスウエアに着替えた。
…淡いピンクに黄色のラインが入っている可愛いテニスウエア。
年齢的にアウト、なんて短いスコートに若さが羨ましくなった。
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