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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第9章 初めての依頼人


「家に帰るなら僕の車でお送りしましようか?近くの駐車場に停めてありますし…もしかしたらあの男の仲間があなたの家のそばで待ち伏せてるかも」
「あ、はい…」

きっと彼も気づいてる。
そう確信して、私は安室さんに声をかけた。

「安室さん、車…取りに行かれるなら私も一緒によろしいですか」
「…ええ」

その声は少し躊躇うように、頷いた。

駐車場に着き車の中。
私は携帯の男の人が、銀行強盗の被害者だと安室さんに伝えた。
案の定、安室さんも引っかかっていたようで腑に落ちたように笑う。

「○○は、事務所に戻ったらそのまま今日は帰ってください」
「…どうしてですか」
「樫塚さんを送る際に、恐らく毛利先輩方も着いてきます。残念ながらこの車にそんなに人は乗れません」

確かにその通りだ、と視線が無意識に下がってしまう。私は…零に褒めて欲しかったのだろうか。
虚しくなる気持ちを押し込めた。

「約束してください、誰も危ない目に合わせないって…貴方も」
「わかりました」

それは、安室透が私に向けた初めての嘘の笑顔だった。


片付け始める警察の立会いには私が対応すると告げて、樫塚さんを送り届けるよう見送った。
警察が片付けを終えて、事務所を去ればパソコンを立ち上げた。
…自分の感情が壊れているかと思う。誰かが死んだ部屋に、残ってまとめるのは今日の状況。
知ってる人が死ぬのは嫌だと言い、知らない人の遺体なら無感情で今のように仕事として処理をできる自分が…とても、嫌になった。


そして、コナンくんが樫塚さんに誘拐され、それを助けるために零の愛車が壊れたことを知ったのは…翌朝のことだった。



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