【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第9章 初めての依頼人
あ、そういえばそうだった。
安室さんの言葉に声を上げてテレビをつける先輩に蘭さんと二人で目を合わせてため息をついた。
「そのテレビ見るからってわざわざ時間ずらしたんですよ、先輩」
「そ、そうですか」
安室さんと、目があった。
「でも依頼人が来るっていうのは当たってましたよ」
おめでとうございます、と付け加えて。
「まぁ、でもどんな奴が来るかは分からねぇからよ。なにしろネット経由できた第1号のお客さんだからな!」
「へ〜、ネット上に探偵事務所を立ち上げたんですか」
「ああ!ウチもグローバルな世の中に対応してデジタル化にしようと思ってな」
そんなことを言ってますが、作成したのも毎日のチェックも基本的に先輩触られてないじゃないですか。
なんて心のなかで呟いて。
先輩の携帯にメールの着信音。
届いたメールを読み上げれば待ち合わせ場所の変更依頼。
断っちまうか、と言う先輩に呆れていれば蘭さんから注意されていて。
「では、今日はコロンボでランチですね」
「私たちもまだ食べてなかったしちょうど良いね」
蘭さんと目を合わせて笑い合う。
安室君からのサンドイッチはどうするんだと言う先輩に蘭さんは夕飯だと切り返して。
…温かい会話だなってぼんやり思った。
タバコの灰を机に落として蘭さんに重ねて叱られていて。
「では、僕も同席して構いませんか?今日のポアロの僕のシフトはお昼までですし…」
「いいけど…同席するならちゃんと授業料払えよ…」
「もちろん!」
○○も行くぞ、と先輩に言われてパソコンを閉じた。
安室さんが扉が閉まらないように開けていてくれて。…横目で見上げれば含んだ笑顔を向けられた。
上着を取ってから向かうと言った安室さんを置いて、先輩たちと一緒に待ち合わせのコロンボへ向かった。
後から追いついた安室さんはお昼はお店で済ましてるからと珈琲だけ注文し、私たちはランチメニューを注文した。
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