【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第49章 溢れ出す本音(キモチ)
「他の人の振りして…っ抱いてくる零なんて…だいっきらい、冷たい目する零が嫌いっ…零のこと好きって言えない私が嫌いっ…零じゃないのに、零じゃないとやなのに…零を一番に頼れない私も嫌い…っ」
キスが、深くなる。
泣いているせいで息苦しい。
もっと欲しい
もっと。
零が、ほしい。
「…戻って来い」
「れいっ」
「愛してる」
零の顔が泣きそうに見えるのは、…光の具合のせいなのだろうか。
長い時間、ただキスをして抱きしめあった。
その先に進めないのは、お互いの罪悪感。
それでも…濡れてしまう体は本当に素直で。
嫌になる。
「…夜ご飯、何が食べたい?」
零の甘い声が耳元でして。
零の胸元で抱きしめられる私は、その心臓の音に安心しきっている。
「なんでも…零が作るの全部好き」
「ん、わかった」
それから…と、零が額にキスをして。
「先日のドレスも、今日の服装も…俺好み」
優しい笑顔。
…嬉しくて、もっと強く抱きついた。
「……○○、風呂入ってて良いから」
「んー………言葉甘えるね」
本当は一緒に入りたかったけど。
…仲直り、というには微妙で。
シャワーを浴びながら…零が恋しくて、はやくあがりたくなった。
少しでも離れてるのは、嫌で…覚悟を決めて、浴室を出た。
「っ…○○?」
タオルだけを体に巻きつけて…零に抱きついた。
「………やっぱり、抱いて欲しい」
他の男に自分から望んで抱かれた私は、もう嫌ですか?
「…ちゃんと拭いてください」
返ってきた答えは望んでいたものと違った。
零が寝室に戻って用意した寝巻きは、新品だった。
…いつ買ったのって思いながらも渡されたものを着た。
「零と…シたいよ」
独り言が、やけに響いて。
零はその声が聞こえてないふり。
…我慢してるのは、私だけじゃないのは分かってる。
分かってるけど、触って欲しい。
抱いて欲しい。
そう思う自分の気持ちの醜さが…
男なら誰でも良いんでしょ?って
私が私自身を笑ってる。
沖矢さんに連絡して抱いて貰えば良いじゃないって。
そうじゃないって思うのに…
私が抱いて欲しいのも触れて欲しいのも
零だけなのに。
なんで、……私は、こんなに…
零に相応しくない女なんだろう。
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