【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第5章 ホームページ制作と不器用な我慢
私が自宅に他人を招き入れるのは正直珍しい。
そんな私が零に続き、コナンくんまで招き入れているのはなんだか不思議なことで、自然と笑みを浮かべてしまった。
先日パソコンからデータは消えてしまったが、購入ソフトなどは復元できたので作業に支障はない。
「夜ご飯食べてく?」
「うん!」
「…その口調、疲れるならやめていいからね」
くすくす笑ってしまって。
「ずっと感じてたんだけど、コナンくんのそれって素じゃないよね」
子供らしい無邪気な口調をするとき、それは何か誤魔化そうとしていたり探りをいれていたり、『子供だから』でどこか下に見てしまう大人に負けないほどの注意力。
「ああ、ごめんね。違ったら大丈夫、あまり深く追求しないって決めてるから」
一瞬驚いて怯えるような表情に間違ってしまった、と慌てて謝罪を述べた。
「コナンくんが蘭さんや毛利先輩のこと大好きなこと、知ってるから。ただ、無理しているならしなくていいよって思っただけ。ごめんね、本当に深い意味はないの」
「…お姉さんは、どこまで知ってるの?」
「私?」
“どこまで”だろう。
キッチンに立ち、冷蔵庫を眺めながら晩御飯を考える。
「………ん~…」
子供に話すことではないのはわかっている。
でも、今誤魔化したり嘘をついたりするとコナンくんはずっと距離をおくだろう。
「何も知らない、が正しいけど。いつも感じる“違和感”とか、“眠りの小五郎”が話しているときにいないこととか、先輩がそれを覚えていないこと」
違和感はずっとあった。
それに関わりたくないと思ったから、追及をすることはしなかった。
「これは私の戯言なんだけど、気になる点が多すぎてね。でも、気にしないことが私の“特技”だったりするから、コナンくんも嫌そうだし、これ以上は踏み込まないようにするよ」
変なことを聞いてごめんね、と笑って。
「○○姉ちゃんは、おじさんや蘭姉ちゃんのこと、好き?」
「うん、大好きだよ。もちろん、コナンくんも」
それだけは嘘じゃないと、疑ってほしくない、と感情を込めた。
「夜ご飯だけど炒飯で大丈夫?何か買ってくればよかったね」
「大丈夫!ありがとう」
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