【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】
第28章 調教(ver:降谷)※裏
カーテンの隙間から溢れる朝の光。
…目が覚めて…
腰の痛みと体の重みと…
お尻が…痛くて。
「……○○さん、目覚めましたか」
「…風見さん」
あなたは、いなかった。
体が痛くて起き上がるにも起き上がれなくて。
風見さんが…私に温タオルを渡して。
「…降谷さんから、呼ばれまして」
「…………別れるって…伝えてもらえますか」
彼を目の前にすると言えない。
…だってこんなにも好きだから。
「零に…もう会えないです…会いたくないです…」
「………ご自身で伝えてください」
電話を繋げてますから、と携帯を渡されて。
風見さんはわかってる。
私が零に言えないって…
『風見…!…○○の様子は…っ』
連絡を待っていたかのような声音。
「…いまどこ…零…」
ほんの少しで良い…僅かでも希望があるなら…
「…今すぐ…会って…くれなきゃ………許さない…」
『………会ったら、俺はお前を許さない』
食い違う気持ち。
「…やっ…風見さん…!?」
突然押し倒されて…通話途中の携帯を切られた。
「…振り回すなら、別れてください」
イヤらしくなくて。
それは、…怖いくらいの誠意。
「降谷さんに、貴女は…脅威だ」
それでも、と…悔しげに睨まれて。
「降谷さんは貴女がいないと…人間として、不足する」
「………では賭けをしませんか」
私が別れるか、別れないか。
「零が、…今の電話で来てくれたら、……別れたくない」
別れたくなんて、最初からない。
あんなに滅茶苦茶な抱かれ方しても…目覚めて零がいない方が悲しかった。
「それなら…貴女の勝ちですよ」
風見さんが笑って、玄関に向かう。
殴られたくはありませんから、と。
「貴女に関わる降谷さんは、私たちが知っている降谷さんとは異なります」
風見さんの後を追いかけて…玄関の扉を開ける風見さんの、手を止めようとしたら…扉が外側から開けられて。
風見さんは、殴られていた。
私に覆いかぶさるように風見さんが倒れて来て…
「死にたくないなら今すぐ出て行け、風見」
零の目は…風見さんを殺しそうなほど睨んでいて。
「……このツケは…しっかり返してもらいますよ」
私に、目を向けて…
耳元で…貴女がしっかり元に戻してくださいと言って…
風見さんは家を出て行った。
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