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【DC】別れても好きな人【降谷(安室)※長編裏夢】

第26章 接触


「試しに、今夜私が相手するはずだった男の相手をしてほしいの」

話が突拍子もなくて。

「意味がわからないって顔してるわね?…ハニートラップ。貴女の彼氏が貴女にシたことを、相手にすれば良いだけよ」

…零が私にしてくれたことを誰かになんて。

「できないというなら、二度と彼に会えなくなるわ」

この後この部屋に来るわよ、と。…柔らかい手が頭を撫でる。

「終わった頃に、迎えに来るわ」

…拒否権は、なかった。笑顔で握られた手に、避妊具を渡されて。

「上玉のときは、つけたらダメよ?…今日はつけても良いわ」

初めてのようだからね、と。震える私の頬を撫でて。

「貴女が失敗すれば、二度と彼に会えないわよ」

零に会えないなんて…

「覚悟は決まったようね」

そんな世界にはもう二度と、戻りたくなかった。
Show me the serious、と言葉を残して立ち去る背中。

ベルモット、さんは部屋から出てカメラで見ているわと言った。
…どうしたら良いのかなんてわからない。
だって私は……沖矢さんの中途半端な関係や…薬での一件を除けば…零にしか抱かれたことはないし。
私自身、零のことしか考えたことはなかったから。

扉が叩かれた。
…どうしたら良いのか、どうしたら…零に…

迷う気持ちを…泣きそうな気持ちを抑えて笑顔で扉をあけた。
扉をあけて目の前で笑う男は、下卑な笑みを浮かべていた。




「とても気持ちよかったよ」
「…えへへ、それは良かったです。…また、シてくれますか?」
「あぁ…君相手ならいくらでも」

狂っている。
…私は、私を殺した。
零に言いたいこと。
シたいこと。
零が喜ぶこと。
目の前の相手に無理やり重ねて…肉体関係を持った。
相手はとても悦んで、…正直、聞いてもわからないようなことを言っていた。
私が知りたかった情報だと。
それがベルモットさんが求めていたものだとしたら、作戦は成功したのだろうと…

「初めてにしたら上出来だわ」

お疲れ様、と綺麗な顔で。

「洗い流したいなら好きに浴室を使ってくれて大丈夫よ」
「…………帰っても、良いですか」
「バーボンに慰めてもらいに?」
「っ…」
「だめよ。…貴女にハニートラップを教えないといけないもの」



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