第6章 公園にて
「そうなんですか・・・」
なんかいけてるお兄さんがっかりしてる。
これは何かフォローを入れるべき?
「でも、いけてるお兄さんもいつも素敵ですよ! 保育園のママ友の間でもかっこいいって話題になってます!」
「・・・ありがとうございます」
今度はちょっと嬉しそう。
うん、感情が少し表に出るタイプの人でよかった。
何を言ってよくて、何が駄目かわかりやすい。
「お仕事、頑張ってくださいね」
そう微笑んで私は、ジュースが飲みたいと駄々を捏ね始めたゆきちゃんを連れて、姉のアパートへと戻った。
***おまけ***
翌日。
表田裏道の控え室。ここには表田裏道以外の人物も何故か頻繁に来る。
「うらみちお兄さん」
「いけてるお兄さん、ノックしてねー。なにかなー?」
ノックせずに控え室に侵入してきた、蛇賀池照もそのうちの1人だ。裏道の指摘を無視して、池照は言った。
「子どもに鼻をかませる時、なんて言います?」
「は?」
裏道の訳がわからないと言う目。その視線をものともせず、池照は思い出し笑いを始める。
「昨日、公園で合った女性が・・・『ちーん』って言って鼻をかませてて・・・ふふっ。『ちーん』ですよ? 俺、もう耐えられなくって・・・フフッ」
裏道の目は、いつの間にかゴミを見るような目に変わっていた。池照はその視線に気づいているのか、いないのか。1人笑い続けていた。
ママンとトゥギャザー収録日にはよくある出来事。