第7章 相澤の復帰
このクラスで気をつけるべき生徒は恐らく、爆豪・緑谷・轟の3人だけだろう。
────ま、イレイザーヘッドもいる訳だし、どちらにせよ、油断は禁物、か。
先程の爆豪の目は、こちらに探りを入れているかのようだった。
警戒されているのだろうか。
USJにて圧倒的な力を見せてしまったから、それについて何か思うところがあるのかもしれない。
誰より"1番"に固執するのが、あの爆豪という男だろう。
それを終綴は理解しているからこそ、油断ならないなと気を引き締めた。
────私、頑張るよ。
愛しい恋人のことを思い浮かべ、終綴はきゅっと唇を直線に結んだ。
卒業するまで、あと3年ほどの辛抱だ。
3年というのは、長いようで、短い。
でもやはり、短くはない時間だ。
自分が事を成すまで、守るべきものがある。
敵連合と名乗っていた彼らが、自分に、否、これから自分たちにどう関わっていくかも解らない。
のんびりしている暇はないし、気を抜くことは許されないだろう。
少なくとも、彼なら慎重にいく。
頭を使うことは苦手だけれど。
家族の為ならば、何だってできる気がした。
それが、どんなに危険なことだったとしても。
結末に、何が待つか─────────
────────────それはまだ、誰にも、解らない。