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夢繰り屋 凛 第五章

第1章 皆の疑問。


…とある昼休み。
今日も浩二君の席の周りには
男女合わせて、十人くらいの人だかり…。

今まで、全然気にした事なかったけど、
最近はどうしても気になってしまう。

…女の子達と、どんな話で盛り上がってるんやろう。
本を読んでいるそぶりを見せながらも、
自然と聞き耳が立ってしまって…嫌になる。

「浩二君って、鏑木さんとなんかの
 同好会やってるんよなぁ…。
 なんやったっけ?」

「ゆめぐりや?やったっけ?何するクラブ?
 温泉巡りしてんの?」

…それ…字が違う…。
『湯巡り』と違う…『夢繰り』!!
なんて…心の中で突っ込んでみる。

彼女の発言に、浩二君は大笑いしている。
笑ってんと…間違いを正して下さい。

大きなため息と共に、目線を本に戻し、
今度はちゃんと読み始めた…

すると、すぐに手元が影で暗くなった。
顔を上げると目の前に、男の子が立って…いた。

えっ?誰?
…よく、浩二君と一緒にしゃべってるのを
見た事ある…。

…でも、名前は知らない…
誰?…ってか、何??

私の不思議顔にお構いなしに、
彼は話掛けてきた…。

「君が、凛ちゃん?俺、翔太。
 …今度俺も一緒に、君と『ゆめぐり』したいわ。」

そう言って笑った。

(この人も…字が違うんとちゃうんやろか…。)

いや…ほんまに…なんなん?

…この人。


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