第2章 出会い
ある日、気付いた。
自身が生まれてから一度も会ったことがない神がいることを。
オリンポス十二神の一員である母の影響で色んな神と出会う機会があった。
ただ1神を除いて。
ゼウスの兄、冥府の神ハデス。
ハデスの名を知ったのはゼウスの口からポロッと出てきたもので、彼とは一度も会ったことがないしどんな見た目かも知らない。
他の神々やニンフ達にハデスのことを聞いたのだが一向に話したがらない…というよりも『彼自身のことが嫌い、知りたくない、だから話せない』と植物達がこっそり教えてくれた。
母親のデメテルにも聞いたが、
「陰気臭い性悪」
と言っていた。
「…皆さん酷いです」
私はまだ会ったことがないから知らないだけかもしれませんが、それにしても酷すぎます。
「ゼウス様のお時間がある時に聞いてみよう」
家族のことを聞くには家族が一番!
コレーは早速ゼウスの元へ向かった。