第12章 運命の番(3)…緑川景光>>2
「景光さん…そんなに喘ぎ声が漏れていたら普通にバレちゃいますよ?」
「っ、だって…これ、無理だ…」
「可愛い…景光さん、本当に可愛い…」
くつくつと噛み殺すように笑う意地悪で無茶ぶりをいった春枝を睨みつつ涙目で伝えた。目を見開いてじわじわと頬が赤くなった春枝は、俺の顔に欲情しておりピンポイントをついたのか、力いっぱいぎゅうと抱き締めて来た。豊満な胸へと顔が埋まる。柔らかい、いい匂いがする…って俺は変態か!いや、あんな野外玩具プレイをして感じている時点で変態なんだけどっ!
ゴロリとソファーへ押し倒されて、服へと手を掛ける春枝にやばいと瞬時に思った。
「ふふ…それじゃあしましょうか」
「えっ…いやいや!今からスコッチウィスキー来るけど!?」
「気配で察してくれてますよー…大丈夫です」
「その自信は一体どこから来るのか!?春枝、これ以上は不味いって…」
待って欲しいと必死に春枝の両肩を添えて伝える俺に、渋々笑って身を引いてくれた。するとノック音が聞こえ、間延びした返事をする春枝に店員が入って来る。というかこの状況…俺が春枝に押し倒されて、服脱がされる途中なんだけど。それに俺、勃起してズボンの上からテント張ってるんだけど!?待って、本当に待ってくれ!!
「お待たせ致しました、スコッチウィスキーでーー…」
「あぁ…ありがとうございます。そこに置いて貰えますか?」
「!…は、はいっ!し、失礼致しました!」
テーブルへとガシャンと乱暴に銀トレイごと置いて、真っ赤になりながら去って行く店員に申し訳なさが募る。俺は一体なにをやっているのだろうか…
「美味しそう…」
相変わらず馬乗りのまま、春枝はスコッチに口付けて飲む。艶めかしくて心臓がドキドキする、中に入っているのがスコッチだと思うと…そうじっと見つめていたからかカランと氷がグラスと重なり鳴った。春枝はニタリと微笑み飲みます?と聞いて来る。
「スコッチ、美味しいですよ?もっと沢山飲みたいくらい…」
「うぅ…勘弁してくれっ」
春枝は分かってやっている。スコッチが飲みたいとか…どんな特殊プレイだ。わざとらしく俺に見せ付けるようにペロリと舌なめずりして、もう一度口へと含む。そのままそっと俺の唇へと押し付けて流し込んだ。