第3章 運命の番(2)…松田陣平>>1
途端に視線を泳がせて、泣きそうに表情を曇らせる。多分ここで私が触るなとαのフェロモンでねじ伏せて言えば陣平さんは泣いてしまうだろう。私は彼に結構甘いなと考えさせられる。
「私は萎えたといったんですよ」
「っっ…どうしても、駄目か」
「気持ちいいとか全く言わないじゃないですか。素直じゃない相手とのセックス程苦痛なものはないですよ?」
「っ、それ、は…」
「恥ずかしいから、照れ隠しだと言いたいんですよね?それも理解しています。でも毎回セックスをするたびに否定の言葉をぶつけられるとこちらとしては萎えるだけなんですよ…」
と言いつつ目の保養だというように上半身スーツを乱して、割れた腹筋と細い腰が目に入る。陣平さんのΩのフェロモンが発情期だからというのもあり垂れ流しだというのは私の身体に毒だと感じた。それでもやはり言って欲しい、気持ちいいから犯して欲しいと…中にそそいで欲しいと。私をもっと沢山強請って欲しいのだ。
「分かりました。それなら私の愛撫が気持ちいいことと、私の性器に犯されて沢山そそいで欲しいということを今ここで教えて下さい、それなら犯して差し上げますよ?」
「い、ぃぇる…わけ、ねぇ…だろっ」
「じゃあ無理です、諦めて下さい」
にっこり微笑んでいるのに、目の奥が全く笑っていない私に既に涙目な陣平さんへ追い討ちをかける。酷いとポツリ呟く男に、それも理解した上で私の番になりたいといったんでしょう?と形のいい唇を親指で撫でる。
「欲しいなら言えよ。そうじゃないと…これからもずっと愛してあげない」
「っっ!!」
あぁ…やっぱり泣かせてしまったかと私の頬に涙が落ちる。すると私に力強く抱き着いて来た陣平さんは涙声で私にいった。
「好きだ…春枝が、好きっ…気持ち、いし、犯されるの、本当は凄く嬉しぃし…春枝にっ、沢山…そそいで、欲しいっっ」
「陣平さん可愛すぎますよ…今の台詞で勃っちゃいました。入れさせて貰えませんか?」
スラックス越しに穴を刺激すれば、ビクビクと腰が揺れる。陣平さんにとって恥ずかしい台詞で濡らすなんてそこがまた可愛らしい。ズボンを脱がし、騎乗位の気分だった為入れてと私は薦める。
「ぃ、意地悪…だな…」
「そんな私が好きでたまらないくせに…中濡れてますよ?」
騎乗位だから中からはとろりと流れて内股を濡らしているのが目に入る。