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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第6章 運命の番(過去編)1


それから直ぐに解除させて来た男は私の番になりたいと押し掛けて抱き締めて来る。同僚の別のお兄さん…後に私の番2人目になる松田陣平さんが引きづるように首根っこを掴んで萩原研二さんを連れて帰って行ったのだ。その時感じた別の甘い匂いにドギマギする、これはまた変なフラグが立っていそうで怖い。なによりそれに抗えない自分の本能が辛いと頭を抱えた。

別の日に、捨てられた犬のように玄関で待っていた男、萩原研二さんがいて私の姿を見た瞬間泣き出してしまった。

「君の番になりたい…俺自身、年下の未成年相手に馬鹿なことを言ってるってちゃんと理解している!でも…君じゃないと駄目なんだっ!」
「……話は中でしませんか?ここだと一目についてしまいますし」

私は少し呆れた笑みを見せて、どうぞと目の前の男を玄関に招き入れた瞬間、番にして欲しいと萩原研二ささんは私を後ろから抱き締めてそのまま押し倒した。後はもう私も若かったからという馬鹿な理由でドスケベセックスへ発展し、なんとか項を噛まずに済んだといった感じだった。

松田陣平さんに出会えたのは私が男に絡まれていた時に偶然助けて貰ったことが始まりだった。研二さんとは別の甘い香りが鼻を掠めて、嗅いだことのある匂いだと直ぐに感じ取った。しかし最初に出会った頃よりも匂いがキツくなっている。驚くべきことは…この男、βなのである。いや、正しくはβ“だった”男だ。後天性Ω…私の濃いαの匂いとΩである研二さんに関わり過ぎたことが原因なのか久しぶりに出会えた時にはΩになっていた。

「なぁ…あんた、責任とれよ」
「えっ…」
「あんたに会ってからずっと頭から離れなくなった…その匂いがする萩原にもイライラするし、思い出すたびに身体が疼きやがる。項を差し出したくなって番になりたいとも思っちまう…どうしてくれるんだ?なぁ?」
「ひぇっ…」

それは私のせいなのか?と思うも、研二さんと出会ってから私の匂いは変わらないものの研二さんはといえばΩの香りが濃くなったのは間違いではない。だから結果的に私のせいになるのだろうと思う。友達が「春枝。上手くいえないけど…なんかかなりイケメンオーラ出てるよ?なにがあったの?」なんて言われたこともあり、番候補のイケメンΩ男に捕まったとは言えず苦笑いを送る日々。

「俺をお前の番にしろ…萩原よりも俺を選べよ」
「う、いや、それは…」
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