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裏『探偵』αな女がΩの男達に求愛される話。

第15章 運命の番(過去編)2.5


「春枝、君はもう少し危機感をもってくれ…」
「危機感…景光さんが私を襲うんですか?普通逆では?」
「そうだが、そうじゃないっ!あと君の口からそんな…はぁ、もういい」
「ふふ…零さんも食べさせて下さるなら今直ぐにでも」

するりといやらしい手つきで俺の首筋を撫でる、ぞわっと体が粟立ってしてしまったのは仕方ないだろう。不快感はないが、弄ばれているのは直ぐに理解出来た。うっそりとする春枝の視線に耐え切れず、恥ずかしさに頬が熱くなるも彼女の白い手を振り払い睨んだ。

「っっ!俺で弄ぶな!だから俺は君の事が苦手なんだ!」
「ふーん…でも好きなくせに」

付き合いは長いからか、春枝は俺のことを理解しているが故に意地悪をするように接して来る。気を遣わなくてもいいのは有り難いが、こういう彼女はやはり苦手だった、だがそんな春枝を嫌いになれるわけもなかったのだ。春枝の下で抱き着いた景光は「俺も混ぜろよー…構えよー…」と甘えていて、俺には到底出来ない甘え方だと少し羨ましくも思えた。

ーーー。

春枝は信頼出来る警察官に先ずは連絡をしたほうがいいと伝えて来た。警察側にNOCである景光さんのデータを組織側へ売った人間が紛れ込んでいる可能性もあるからだと。後は本当に危ないことがあれば、直ぐに私へ連絡をして下さいと連絡先を手渡して来た。今度は消さないで、私を頼って欲しいと必ず力になるからと伝えられた。そんな言葉をかけられたら、春枝のことを頼りたくなってしまう。彼女の精一杯の告白のような気がして俺は景光と顔を見合わせ、勢いよく彼女へと抱き締めた。女性である春枝が男二人に抱き締められて耐え切れるわけもなく、尻餅をついてしまったのは申し訳なく思えた。

ーーー。

俺が警察の信頼出来る者へと連絡をしていれば、彼女は家へと電話していた。するとニタリと良く俺に向ける笑顔で景光を見つめており首を傾げた。

「ねぇ…景光さん。今から死んで貰えます?」
「へっ…?」
「はっ…?」

ーーー。

「はい。では先ず…血糊の入った防弾チョッキを景光さんが着て貰って、零さんがそのまま胸に一発撃って下さい。弾は入っていませんが、ペイント弾の血糊が入っていますので、リアルなの死体や血溜まりが出来ます。あぁ、後ほど採血の方をお願い致しますね?」
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