• テキストサイズ

王の孔雀石【ONE PIECE 】

第2章 中編 古代都市シャンドラ



そんな二人からの視線に、ローの眉間に刻まれていたシワが深くなる。

「…あぁそうだ。おまえが嫌がるなら、これはその鳥に打つ」

「え!?」

ーーーは!?

ルフィがまだ何か言いたげにローを見ていると、彼からとんでもない言葉が聞こえてきた。

ルフィより年上といっても、別に気が長いわけではない。

何時までも腹をくくらない彼に痺れを切らしたのか、ローは徐に小鳥を鷲掴みにした。

咄嗟のことで逃げ送れた小鳥は何時にもましてピッピ鳴いていた。

「だ、駄目だ!俺が悪かったからユーリを離せよ!」

そう言って腕を差し出してくるルフィ。

「…はぁ、最初からそうしろよ」

ローはルフィの言葉を聞くとすぐにユーリを解放した。

そして彼の気が変わらない内に、注射を刺す。

「…うー、何だかハメラレタ気がする」

注射が刺されるのをじっと見ていたルフィは、思わずそうぼやいた。

「お前、そんな言葉知ってたんだな」

そしてローが何か失礼なことを言っていたが、彼は聞こえてないようだった。

注射が終わり、未だに納得のいかない表情のルフィ。

そんな彼にローはため息を吐くと、今日一日安静にするよう伝えて診療所に戻っていった。






ーーー危なかった。危うく機械であることがバレるところでした。

ユーリはそんな2人を見ていたが、そっとその場を離れた。


彼らのことについて、少しずつ色々と分かってくる。


今朝のシャンクスのことも、今日初めて知った。

恋愛感情のないユーリだが、二人が親しい関係だという事は何となく分かった。

それに関して、何か思うことがあるかと問われれば、特に何もない。


ただ、あの場を離れる時に見た彼の顔が、気がかりではあったが。




ーーーここ最近、彼が何か言いたげにしてるのは何でしょうか

シャンクスといると、不意に感じる視線。

振り返っても、彼は物思いに耽ってることが多かった。

恐らく疲れてるのだろうと思ったが、果たしてそれだけなのだろうか。


ユーリは首をかしげる。



シャンクスの心など、彼女に分かるはずもなかった。

/ 242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp