第2章 中編 古代都市シャンドラ
「シャンクスおかえりー!!」
シャンクスが王宮の中へ足を進めると、ずっと待っていたのかルフィとエースが一番に出迎えた。
何だかんだで予定より早く着くことができたが、心配していたのだろう。
シャンクスが帰ってきたと連絡が入ると、ルフィが真っ先に飛んでいき、その後にエースが続いた。
そしてそんな二人の後から、他の家臣達も顔を見せる。
皆、何だかんだで今回の遠征のことを心配していたようだ。
「遺跡についてなんだが…」
シャンクスは軽く報告をすると、気にするなと笑った彼ら。
無事に帰ってきてくれれば、それだけでいいと。
そんな彼らの言葉に、シャンクスは苦笑して感謝の言葉を述べた。
「ん?なんだこいつ?」
そして幾つか言葉を交わしていると、当然というか鳥の存在に気づかれた。
王宮に入ってフードを脱ぐとそこに移動した小鳥。
小鳥のさえずりに気づき、シャンクスの後ろへ視線を送る。
フードから顔を覗かせている小鳥を興味深そうに見ているルフィ。
それは他の家臣達も同じのようで、それぞれ色んな意味を込めた視線を寄こしていた。
汚染されていない生物が珍しいのもあるが、あのシャンクスが小鳥を連れ歩いている。
確かに温厚な彼だが、小鳥を連れ歩いているなど違和感しかなかった。
「あぁー、こいつは…」
そしてシャンクスは気まずそうに遺跡で拾った話をする。
彼らの反応は予想していたが、確かにこの状況はおかしいだろう。
しかしかといって見捨てることも、置いて行くこともできなかった。
シャンクスは苦笑しながらフードに入っている小鳥へ手を伸ばし、正面に持ってくる。
「すっげぇーな!俺、鳥なんて始めて見たぞ!」
目の前の小鳥に興味津々のルフィ。
そっと小鳥を受け取ると、手の上に乗せて飽きもせずに眺めていた。
小鳥も大人しくされるがままだ。
ルフィの手の上で首を傾げて鳴いている小鳥。
尻尾をパタパタさせながら、偶にキョロキョロしている。
飛ぶつもりがなさそうなので嫌ではないのだろう。
ルフィはそんな小鳥の様子をニコニコと見ていた。