第2章 中編 古代都市シャンドラ
シャンドラを出て10日後。
予定よりも遅れてしまったが、シャンクスは目的の遺跡へと辿り着いた。
途中、野獣等の相手をしており、シャンクス自身も体力がだいぶ削られてしまった。
だが命懸けでやっとここまで来たのだ。
何も手掛かりなしでは帰ることはできなかった。
シャンクスは周囲を警戒しながら遺跡の中へと入る。
古びたその場所は、生物の気配はしないがどことなく不気味だった。
壁に書かれた、謎の文字。
今にも崩れ落ちそうな石像に、人間が付けれるとは思えないような傷跡の数々。
シャンクスはそれを1つ1つを確認しながら遺跡の奥へと進んでいった。
遥か昔に存在していたと言われる古代兵器は3つある。
それは、海王類の王であるポセイドン、最強の戦艦であるプルトン、そして神殺しと言われたウラヌスだ。
海王類は海の中を生きる、最強生物だ。
そして、人間が未だに勝つことが出来ない生き物でもある。
そんな海を安全にわたる方法はもちろんない。
だが、陸続きのこの世界は、海の存在をそこまで重要視してなかった。
シャンクスがその3つの古代兵器の中で目を付けたのは1つ。
神殺しのウラヌスである。
その圧倒的な力は、一瞬にしてこの星を破滅に追いやったと言われている。
古代兵器は生物なのか、機械なのか。
意思があるのかないのか。
その全ては謎に包まれており、分からなかった。
だが、出来ることならただの機械であって欲しかった。
意思を持った最強兵器など、とても扱えるとは思えない。
シャンクスは壁に書かれた文字に、そっと触れた。
最後にウラヌスを目撃したと思われるこの場所。
目撃したのは、機械としてか、それとも生物としてなのか。
書物に残した人物は、古代兵器と出会ってまもなく死んだ。
残された殴り書きのメモを頼りに作られたこの本。
シャンクスの脳裏は最悪の状況も考えているが、できれば生物であってほしくなかった。
…何処までが本当で嘘なのか分からないがな。
もしかしたら古代兵器なんて存在せず、全て嘘かもしれない。
それはそれで困るな。
シャンクスは苦笑を漏らすと、文字が書かれた壁に沿って歩みを進めた。
ッピ
不意に、謎の音がした。