第2章 中編 古代都市シャンドラ
今から約1000年前。
世界政府が闇に葬った、空白の100年が始まる前の話である。
この世界には、21の勢力があった。
まだ悪魔の実もなく、海賊と言う概念もない。
それぞれの国が、独自に開発した武器で戦い、領土を奪い合う。
力のない者は敗北し、全てのものを奪われる。
そんな弱肉強食の世界で、最弱と言われていた国。
その名を、シャンドラと言う。
前国王、ゴール・C・ロジャーが病に倒れてから、国勢は一気に不利に陥った。
領土は荒らされて、食料は尽き、多くの国民が殺される。
繰り返される他国からの殺戮に、シャンドラが滅ぼされるのも時間の問題だった。
そんな時、次期国王として名を上げた1人の男。
その名をクロック・C・シャンクスという。
彼はロジャーの親族に当たり、前国王からその座を受け継いだ。
Cとはシャンドラの略称で、国王とその家臣のみが名乗ることを許される。
シャンクスは元々ロジャーの家臣であり、彼の他にも数名の家臣がいた。
モンキー・C・ルフィー
ポートガス・C・エース
トラファルガー・C・ロー
この3人は他の家臣の中でも、特にシャンクスと親しかった。
Cの名を持つ彼らは、ロジャーに代わりシャンクスに忠誠を誓った。
全てはこの国の繁栄と、平和の為に。
他国を侵略するなど、そんな考えはシャンドラにはない。
だからそこ最弱と言われるかもしれないが、力でねじ伏せて得られる幸せなどないと、代々からその考えを受け継いできていた。
だがしかし、国家存亡の危機が迫っている今、そんな悠長なことも言ってられなかった。
シャンクスは国王に君臨する前から、密かに歴史の研究をしていた。
今から約5000年前、星殺しと言われた古代戦争。
通称神々の戦争とも言われ、そのおとぎ話の中に出てくる古代兵器。
シャンクスはずっと、その古代兵器が存在するものだと信じていた。
この世界に、そんな伝説に近い物語を信じる人物はほとんどいない。
だけど、今この国には、圧倒的な力が必要だった。
それは、他国を破壊する為ではなく、自国を守るために必要なものだと、そう信じていた。