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王の孔雀石【ONE PIECE 】

第1章 前編 赤髪の皇帝 白髪の少女



なんだこれは?


ユーリの異常に気が付いたシャンクスは、本能的にその場から飛びのいた。

その瞬間、鋭い剣先が宙斬る。

彼女はゆっくりと起き上がった。

無表情で立ち尽くしている彼女が纏っているオーラ。

それを覇気と呼ぶには、余りにも禍々しいものだった。








「お前は、誰だ?」

無意識に呟いたその言葉に、彼女が反応する。


「ーーー」

機械音のような音が静かに響き渡る。
目線だけを向ける彼女は、まるで言葉を失ったかのようだ。






その瞬間、シャンクスは激しい頭痛に襲われた。







「…ーーー」


片手で頭を覆ったシャンクスは、目の前の彼女から聞こえてくる音に耳を傾ける。

先ほど、頭痛と共に何かが見えた気がした。




それが何なのか、分からなかったが。





「…っ」


そして一瞬にして消えた彼女に、シャンクスはその気配を探る。

だが、その姿を捕らえることが出来ても、時空を歪ませて捕まえることが出来なかった。


…時空を超える速さで移動してるのか?…厄介だな。


普通に考えてそんなこと、例え能力者でも出来ない芸当だろう。
だが彼は、その可能性をあっさり認めた。

そうでもしないと、この現状についていけないからだ。


二人の交わる剣先が、激しく火花を散らせる。

先ほどまで圧倒的に不利だったユーリが、今ではシャンクスと互角に戦っている。


状況を確認するのも、調べるのも、全てはこれを終わらせてからだ。

シャンクスは冷静に目の前の相手を分析していたが、正直勝てるか微妙なところだった。



「ーーーー」

人知を超えた動きに、彼女の身体が不自然に歪む。

「おいおい、無理して自滅は止めろよ?その身体はおれのものだからな」

「ーーーー」

言葉を理解してないのか、彼女の攻撃は止まない。


シャンクスは舌打ちをした。


…これは、早く終わらせないとまずいな

彼女から攻撃を受けつつ、どこかぼんやりとシャンクスは物思いに耽っていた。




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