第1章 前編 赤髪の皇帝 白髪の少女
「ふっ…っ…んぁっ…」
あの後、既に服として意味をなさなくなった布切れを剥ぎ取られ、彼の大きな手がユーリの身体に這わされた。
愛撫するように撫でられ、同時に口づけも身体の至る所に落とされる。
胸に這わされた彼の舌に、ユーリは思わず声を抑えるように手を唇に当てた。
だがそれも、今は鎖ごとベットの端に繋がれて声を抑える術を奪われている。
ユーリの疑問には一切答える気がないのか、彼はずっと黙ったままだ。
そして、余りにもしつこく聞くもんだからついには身体に歯を立てられた。
それ以降、ユーリは色々諦めたのか、抵抗しなくなった。
抵抗はしなくなったのだが……
「いや、ちょっと流石にそれは無理です…」
ぐちゃぐちゃとユーリの秘部に突き入れられた指が突然抜かれたかと思うと、宛てがわれた熱い楔。
碌に慣らしもせずに、受け入れるにはあまりにも凶暴なそれ。
思わずユーリから拒否の言葉が上がった。
顔を青ざめさせて口元を引きつらせているユーリは、ジリジリとベットの上へと逃げようとする。
「あんまりそういう顔するなよ。抑えが効かなくなる」
だが、ユーリの抵抗は逆効果なのか、そんな言葉が聞こえてきた。
そして足を掴まれたかと思うと、強引に引き寄せられる。
「待って、一回落ち着いて茶でも飲ん…っ!?ひっ…がっ…あぁ!?」
海楼石ごとベットに繋がれて逃げれるはずのない彼女に、容赦なく突き入れられた熱い楔。
体内に響き渡る鈍痛に嫌な汗が流れ落ちる。
完全に身体に力が入っているためか、すんなり入るわけもなかった。
一瞬、目の前の男が息を詰めた。
だがそれも、強引に彼女の足を広げると、彼女の意思とは関係なく抉じ開けられる内部。
「…流石に…10年は待たせ過ぎだ…恨むなら、自分を恨むんだな」
どこか、独り言のように呟かれた言葉。
本当はもう少し優しくしようとしていた。
だが、彼女と再会したとき、そんな思いは一瞬で消え去った。
1秒でも早く彼女を手に入れたい。
そんな黒い思いだけが、彼を支配していた。