第1章 前編 赤髪の皇帝 白髪の少女
「ヤバイ…」
ベットに横になり携帯を弄っていたユーリは、そっと呟いた。
「ローの次はシャンクスにはまってしまった。ローに引き続きどんだけブームが去った後なんだよ」
ユーリは携帯を閉じると盛大にため息を吐いた。
ローの時はまだ夢小説やイラスト等がたくさんあった。
だがしかし、シャンクスは予想外に少ない。
その現実に、ユーリは絶望の表情を浮かべていた。
「いや、確かにブームが去り過ぎて風化してるのも分かるが……何故だ!あんなにイケメンなのに!!」
ネットを徘徊してはページが表示されませんの文字を見る度に、悔しさで枕を叩く日々。
シャンクスはワンピースが始まった当初から好きだった。
だからその時に見つけたお気に入りのサイトを探していたのだが、10年も経つと流石に消えるのか。
ユーリは枕元に項垂れると、今日はこれ以上サイトを探すのを諦めた。
何だかんだで何時の間にか深夜を回っている。
まだ平日だし、明日から通常通りの毎日が始まる。
ユーリは布団を被ると、そっと目を閉じた。
こうなったら夢の中で意地でもあってやる。
そんな謎の意気込みをして眠りにつく。それも毎日。
ユーリは脳内で必死にシャンクスのイメージを考えながら、ゆっくりと眠りに入っていく。
ーーーーふと、波の音が聞こえたような気がした。