第2章 中編 古代都市シャンドラ
シャンドラの変化はすぐさま他国へと伝わった。
シャンクスが危惧していたとおり、他国の反応は様々だった。
取り入って恩恵を受けようとする国、無謀にも攻め入ろうとする国、無関心な国。
シャンドラが変わってまだ日にちが経っていないのに、攻めてきた国があるのは本当だ。
飛行の技術を持つ国は多くある。
しかし当然ながら、シャンドラの土地に踏み入るどころか、近づくこともできなかった。
それもポセイドンの結界と、プルトンの攻撃のおかげだ。
彼らからすれば、慣れない飛行をしている相手など、敵ではないのだろう。
他国が攻めてきたという報告と共に、全滅の報告が同時にあがってきた。
相手の数はかなりのものだったと聞く。
改めて、古代兵器の恐ろしさを実感した。
そしてユーリは、シャンクスの元で療養中である。
先日の一件でシャンクスの怒りを買ったユーリは、大人しくしている。
失った腕とコアを修復するには暫く時間がかかる。
だからその間、ユーリはシャンクスから部屋を出るのを禁じられたのだ。
今日もユーリはシャンクスの部屋の窓から茫然と街並みを見下ろしている。
退屈だという概念はないが、何をしていいか分からなかった。
ーーーコアの修復はできるのでしょうか
ユーリは胸元に左手を当てる。
今までコアが傷つくような損傷はしたことがなかった。
過去にいた仲間達の最後を振り返っても、コアへの損傷は致命的だが、修復をしたという話なんて聞いたことない。
皆、徐々に機能停止していき、動かなくった。
ーーーこんなこと話せば、彼はまた怒るでしょうか。それとも、黙っていたほうが怒るでしょうか
ユーリが先に逝くか、シャンクスが先に死ぬか。
先日の戦いでシャンクスがだいぶ力を使ったのを知っている。
数日前、ローが険しい表情で彼と話しているのが聞こえた。
恐らく彼は、そう長くないうちに死ぬ。
ーーー私のせい…か
あの戦いに巻き込まなければ、彼はもっと長く生きれただろう。
シャンクスが自ら望んであの場にいたのは分かる。
だけど、どうしてもその考えが頭から離れなかった。