• テキストサイズ

白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第5章 シンガポールの“暇”(いとま)



「…いや、やっぱりいいや」

「「?」」

何に対してやっぱりと言ったんだ?

「やっぱりって、忘れ物かい?」

「大した物じゃないけど…シャワー上がりでうっかりしてたよ」

声のトーンやがっかりした表情から、それはとても大事なものだと見受けられる。

注意深い彼女だが、意外にうっかり屋さんであった。

ダークブルームーンの時の冷静な判断力、ストレングスの時の観察力。

未成年とは思えない一面はあるが、やはり年相応な部分もあるものだ。

そのギャップに花京院と承太郎は少し意外と思った。

まあ、彼らにも十分年相応ではない一面が有り余ってるが…

「今はじじいたちが待ってる。部屋にあるなら問題ねえだろう」

「うん」

高校生の列はまた進み始めた。


気のせいかな…微かに血のにおいを感じたのは…




〈1212号室〉

ジョセフとアヴドゥルは承太郎たちを待っていた。

集合時間を数分くらい過ぎている。

(ここに来る途中で、敵スタンドに出食わさなければいいが…)

承太郎たちが強いことはよく知ってるが、やはりジョセフは不安に思っていた。

しかし承太郎たちが無事に来た。

「ん?3人だけか」

「あの少女は?」

アヴドゥルは彼女の同室である由来に聞いた。

「いえ、彼女はスタンド使いじゃないので、私たちと一緒だと逆に危険だと判断しました」

「確かに。では後はポルナレフだけか」

由来は後ろの扉を見たが、誰かが来るような気配がしなかった。


「それで、何があったのですか?」

花京院はジョセフに事の詳細を伺った。

ジョセフはアヴドゥルとアイコンタクトをとって、ポルナレフはまだいないが、今のうちに3人に話すことにした。

「ポルナレフの部屋に、“呪いのデーボ”というスタンド使いが現れたらしい」



ジョセフに続いて、アヴドゥルがその敵スタンドについて詳しく説明してくれた。

さすが情報通である占い師のアヴドゥルは、そのスタンド使いのことをよく知っていた。

(呪い…)

由来はこの言葉が特に印象に残った。

「つまり、私たちがストレングスを倒してシンガポールに上陸してこのホテルを選ぶことを、敵はすでに知ってたってことですか?」

「ああ。我々の行動が奴らに知られるのが、想像より遥かに早い。正直油断した」

/ 443ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp