第4章 “暗青の月”(ダークブルームーン)と“力”(ストレングス)
由来は驚いて振り向いた。
(図星か…)
承太郎はその表情を見てすぐに分かった。
表情豊かではない由来でも、相手に考えを読まれれば誤魔化すこともできない…相手に嘘を付けない性格だ。
承太郎は彼女のそこんとこも知っていた。
ゴゴゴゴゴ
高校生とは思えない圧と眼差しに、由来は後ずさりした。
見抜かれたのもあり、正直初めて承太郎にビビった。
ため息をついたから、白状するように話した。
「……私のスタンドは元々自分でも制御(コントロール)が難しいんだ。だから…無関係の人間を巻き込んでしまわないよう距離を置いてるの」
『戦闘時はなるべく、
・・・・・・・・・・・・・・・
私から距離を置いた方がいいです』
乗船前に言ったあの言葉は、“制御ができないから”という意味合いを込めたものだった。
(まさか…見抜かれるとは…抜け目ないとは思ってたけど)
承太郎は、スタンドを発現した初期は、制御が利かず牢屋に閉じこもったことがある。
だが、生まれついてのスタンド使いであるはずの彼女が、スタンドを掌握しきれてないとは。
しかし今まさに、反射的に水道を凍らせてしまったのは事実。