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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第4章 “暗青の月”(ダークブルームーン)と“力”(ストレングス)



大人は子供と話すとき、いつもとは違う話し方になるのは日常ではよくある。

しかしそれは、時に子供の反感を買う。

“明らかに子供扱いされているな”と

年上の自分の方が勝っていると、その見下した態度がとても勺に障る。

特にこのアンという少女は、そういう大人を嫌う性格であった。

しかし彼女から見て、由来はそんな人ではなかった。

真剣な眼差しでこっちを見ている。
わざわざしゃがんでくれて、この人は見下すなんて絶対しなさそう…

(なんだか、この人なら信用できそう…)

他のあのワケ分からない奴らは、疫病神みたいで怪しいけど…

けど、この人がそこまで言うならアイツらも信じてやらないことはないけど…

「と言っても、まだ未成年のガキの私じゃあ説得力はないか」

「え…由来さんもまだ子供なのッ!」

大人びた雰囲気からして、高校生には見えなかったらしい…

「そこの君」

甲板から戻ってきた船員たちがアンを呼んだ。

「我々と向こうの部屋で待機しなさい。君の方はどうする?」

「私はあとでジョースターさんたちと合流します。色々と気になることもありますので」

ここで由来はアンと別れ、1人で船内を探索することにした。


由来はいくつか扉を開けてみたが、やはり誰も見あたらなく手掛かりも見つからなかった。

そこで、ある場所へ行ってみることにした。

(ここか…)

ガチャリ

扉を開けるとそこは静かな厨房だった。

貨物船であるから長期にわたる航海はよくあること。
なら従業員の食事を作る台所があるのは当然だと彼女は考えたのだ。

キッチンカウンターをぐるりとまわったり、包丁スタンドに収納されている包丁を1つ取ってみた。

(刃こぼれからして、全く使用されてない…か)

包丁をカウンターに置き、今度は水道の蛇口をひねってみた。

ジャー

(水は普通に出る…)

触れてみても、やはり普通の冷たい水だ


「おい」

ビクッ!

突然背後から声がして、誰だと後ろを振り向くと、承太郎だった。

「ど、どうしてここに……何か…あったの?」

「じじいたちと手分けして船内を探索しているところだ。ん…その水道…」

承太郎が見たのは、

パッキィーン

流し全体が氷で張ってあり、由来が触れていた水は蛇口から全て凍っていた。

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