第4章 “暗青の月”(ダークブルームーン)と“力”(ストレングス)
「おい承太郎何している?」
ジョセフは思わしくない空気を何とか緩和しようと、孫の承太郎に行動の意図を問う。
承太郎はひとしきり船長を睨んで、ようやく口を開いた。
「こいつは船長じゃあねえ。今分かった!スタンド使いはこいつだ」
『!!』
ジョセフ含め全員が驚いた。
「スタンド?何だねそれは?」
船長は全く見覚えもない様子で聞き返した。
近くで見てた由来でさえ、承太郎の言葉にさらに疑問を抱く。
(疑いじゃなく断定ということは、何か見たの?)
「証拠はあるのかジョジョ?」
花京院がそう聞くと、ようやく由来の腕を離した。
「“スタンド”使いに共通する見分け方を発見した。それは…スタンド使いはタバコの煙を少しでも吸うとだな…鼻の頭に血管が浮き出る」
『えっ!』
衝撃の真実に、小さな密航者を除き皆は反射的に鼻に触れた。
「うそだろ承太郎!」
「ああ、うそだぜ!
・・ ・・・・・・・・・
だが…マヌケは見つかったようだな」
「あっ!!」
・・・・・・・
船長が鼻に触れていた。
(?)
密航者の少女は、皆の行動を理解できなかった。
承太郎が言った“スタンド使い”という言葉の意味が分からないからだ。
だが逆に言えば、反射的に鼻を触ったということは、その意味を理解したということ。
つまり、理解した船長は、スタンド使いだ!