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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第14章 告白と小さなお別れ



(私が人を助けたいのは、相手のためだと思ってきたけど、最近ではそれは違うと気付いたんだ)

自分の気持ちを守るため。

人を助ける方が、人として素晴らしいと、いい気持ちになりたいからだ。

エゴだったんだ。

(でも、それでも、ホリィさんを救う結果が、皆の気持ちを救う結果を出せるのであれば、私はその過程に尽力する)

エゴでも自分の命でも、なんだって利用してやる。

あの惨劇を、二度と繰り返さないためにも……



海の血に塗れたあの光景。

嗚咽を漏らす兄貴。

世界が切り裂かれる歪な音響。

『すまない…由来……君の魂を救うには、これしか方法が無いんだ』

『兄ィさんッ!ダメッ!!』

時間と空間が反響し合い、私の魂の慟哭がそれらと不協和音を奏で、世界が変わっていった。



誰かに救われて、自分だけが取り残される虚しさ。

(もうあんなこと、二度とごめんだ……)


由来はそんな風に思い込んでいた。

人の思考は書き留めれば膨大な情報量になるが、実際時間だとたったの数秒なのが現実だ。

その数秒で、由来は承太郎の行動に気付けなかった。

グイッ!

「うゎッ…!」

いつの間にか距離を詰められ、上へ抱えられた。

「えッ……え…?!」

見下ろすと、承太郎が
・・・・・・・・・・
こちらを見上げていた。

「やれやれ。そうやっていつもみてえに俯くと、顔が見えねえ」

バァーンッ!

まるでウェディングフォトのように、由来を腕に座らせるようにして上げた。

身長195cmの大男がする抱っこは、3mものの高さを見渡す世界で、由来は余計に混乱する。

(ちょっ!何で抱っこ?何で…?)

承太郎からしたら、大抵は相手の身長の方が低いから、普段は見下ろすようにして話す。

女性の由来相手だと尚更で、しかも彼女は、
・・・・・
目を伏せる癖があった。

だからいつも、顔色をあまり伺えず、本当はもっとちゃんと話したいと以前から思っていた。

片目になってから、死角からの攻撃に備えて右側にいることで、なお一層のこと、彼女の顔が見れなくなっていた。

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