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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第14章 小さなお別れと告白



「……私の演奏…そんなに楽しみにして…くれているの……?」

恐る恐る聞いてみた。

すると承太郎は、らしくもなくすぐには答えない。

何か一瞬躊躇うような素振りを見せてから、口を開く。

「……俺は、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スタンド使いとしてのお前だけじゃあなく、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ピアニストとしてのお前にも頼んでいるつもりだ。それに……」

「?」

承太郎はまたそっぽ向いて、学生帽を深く被り、目を合わさずに私に言う。

「てめーが言うように、俺に命救われた恩義を感じるなら、約束の1つくらい、聞いてもバチは当たらねえだろ?」

「……」

あ、分かった。

いつもより静かな口調。拙い言葉。いつも以上によそよそしい態度。

見覚えがある。シンガポールでも似たことがあった。


承太郎は恐らく、
・・・・・・・・
慣れていないんだ。


(ジョースターさんもさっき言っていた。他人に頼み事をするのも、甘えることも滅多に無かったって)

慣れないことをして気持ちがむず痒い、というところか?

私も人に頼ったり、気持ちを共有するっていうのは、あまり得意じゃあないからな。

「そういうことか……」

「あ?」

思わず口に出してしまい手で押さえる。

「いやこっちの話だよ。確かに、聞く分にはバチは当たらないね。でも……」

「?」

今度はこっちがよそよそしい態度になってしまう。

(こんなこと言えばきっと怒られらるけど、私は、仲間の命を差し置いて生き残るつもりもないし、正直……)

この旅に同行すると決めた時から、
・・・・・・・・・・・・・
命は最初から捨てたつもりだ。


由来は失った右目を抑えるようにして、頭を抱える。

戦いによって大切な体の一部を奪われた以上、次に何を失うのか分からない。

左の目も失い、完全に光を失うか。

もしくは腕を失い、二度とピアノが弾けなくなることだってありえる。

いや、自分の体など、どこでもくれてやる。

でも、自分の命よりも奪われたく無いものができてしまった。

もう分かってしまった……

「ッ…」

口元が歪み、内から湧き上がる負の感情を抑える。


「もしそうやって
・・・・・・・・・・
承太郎を未練にすれば、これ以上仲間を失えば、私はもっと辛くなる……」

「!」

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