第14章 告白と小さなお別れ
『?』
(し、しまったーッ…!)
周りが皆、私の何気ない声に反応して、不思議そうに見つめる。
「由来何だ急に反応して?」
急に会話に入ってきた由来を不審に思い、ポルナレフは聞いてくる。
「ち、違う。あれです。学校の友達の話で……」
「学校?そういえば君は女子高だったね?」
花京院が助け舟のように聞いてきて、私は飛び乗る勢いで食いつく。
「そう。男子がいない分、けっこーそういう話題が往来していて、完全に傍観者になっていつも反応に困るというか……」
(意外だ。ポルナレフならともかく、由来が恋バナにそんな口達者になるなんて……)
花京院はいつもと違う由来の様子に違和感を覚える。
やばいやばいやばい。
由来はそんな言葉のサイレンが脳内で響き渡り、嘘の舟を浮かばせて見繕うようにする。
しかしそれが逆に不信感を生んでしまうと分かっていた。
・・ ・・・・・・・・・・
特に、右隣の相手にとっては。
さっき、部屋で承太郎と話していた時に、確かに言ってしまったのだ。
あれは言葉の綾というか、苦手じゃないとはっきり意思表示をするために言ったことだ。
(むしろ"好き"な方だと……)
思い起こすと、さらに余計に誤解の渦が……
しかし幸いなことに、右目は眼帯で隠されているから、顔右側から表情は読み取りにくいはずだ。
こちらから承太郎の表情は、首を軽く動かさないと見れないし、向こうだって私の顔が見づらいはずだ。
「そ、それって、男女関係なく、そうなんですか…?」
由来は隣の承太郎の様子を伺うことなく、目の前のポルナレフの恋バナに乗ることにした。
当の本人のポルナレフも違和感を覚えながらも、顎に手を添えて、思い起こすかのように見上げて言う。
「そうだな〜。俺は気になる女の子の髪や服とか、自然に素敵だと口から出るからな。やっぱ男女問わず、好意のある相手にゃ、本人は無意識にアクションを起こしちまうもんじゃあねえのか?」
「……無意識、ですか」
由来がそう呟くのを見ていた花京院は、ふと思い立った。
「じゃあポルナレフ。"嫌いじゃあない"って言った場合、どうなるんだい?」
「!」
承太郎の眉がピクリと反応を見せる。