第14章 告白と小さなお別れ
ダイニング会場にて。
ホテルの夕食はビュッフェ形式で、広いホールで催されていた。
周りは一般客で賑わっており、ジョースター御一行はその中で、ホールテーブルを囲んで、夕食をとっていた。
「さっきよお、ホールスタッフにめっちゃ美人な娘がいたんよ!部屋番号書いた紙渡しちゃった〜」
語尾が裏返るほどのテンションで脳内お花畑のようなポルナレフに、花京院は諭す。
「ここはナンパバーじゃあないんだぞ。仕事の邪魔をするんじゃあない」
「別に営業妨害なんかしてねえ。話しかけるだけでいいじゃあねえか?それに向こうさんだって、すんげえ可愛い笑顔を俺にプレゼントしてくれたぜ」
「それは単なる営業スマイルじゃあないのかい?ホテルの仕事なら一層、お客様を立てるのが仕事だからな」
「そーやって疑心暗鬼だからモテねえんだよ花京院」
「僕は恋人どころか、これといった友人もできなかったけどね」
「……なんかごめん」
反対側の席座っているアンとジョセフは、そんな光景を見ながら、料理を口に運んでいた。
しかし退屈はしなく、ムードメーカーポルナレフと辛辣花京院の仲良し劇場を微笑ましく観劇していた。
そんな一方で、承太郎と由来は隣り合わせの席で、それらに構うことなく、黙々と食事を続けていた。
スマイルの欠片もなく、お通夜のように食事という作業をこなしているライン作業員のようだった。
(白米が恋しい……)
(白米が食いてえ……)
2人とも日本人なだけあり、考えていることは一緒だった。
(やっぱり、右側に来ることは本当だったんだ……)
由来は右側の席に座っている承太郎のことを思った。
昼頃、街中をアンと散策した時に教えてもらった。
ウェイターに席を案内された時、試しに誰よりも早く席に着いた。
スタッ
そしたら、承太郎が迷いなく右隣の席を選び、確信した。
優しさを言葉ではなく、行動で示すタイプだと。
(……確かに、そういうところなんだよな)
何か承太郎のことが……
「好きって相手に言った時点で、そりゃ異性として惹かれているって、もう脈アリ確定なんだよ」
!!?
ポルナレフさんが花京院くんに何気ない一言を発した。
「えッまじで?」
私はつい反応してしまった。