第14章 告白と小さなお別れ
「……言葉遊びをするつもりは無いけど、確かに、承太郎のことを羨んでいるのは、本心だよ」
由来は己を俯瞰するように、冷静に自分の気持ちを言葉として吐露する。
「他人の私でさえもあんな風に接してくれたホリィさんや、アメリカンムードメーカーみたいなジョースターさんとか、そういう"家族"ってものに囲まれて、何か、うまく言えないけど、やっぱりいいなって……」
まだ自分の気持ちを話すのは上手くできず、それでも苦手ながらも、承太郎と向き合おうと努力する。
「……」
承太郎本人も、そんな今の彼女は、
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旅を始めたばかりの頃と明らかに違うことに
気付いていながら、黙って話に耳を傾ける。
「アナタと私は、色々と境遇が違うし、だからこそ考え方も違ってもおかしくないと思うし、アナタが私を苦手だと思っててもおかしくない。でも、私がアナタを苦手な訳はない。むしろ好きな方で」
「!」
承太郎は僅かに目を見開いた。
「……え?」
承太郎の顔色が少し変わったのに気付き、由来は自分の言ったことに気付いた。
好き。
あ、もしかして、勘違いされている?
「……えっと、好きっていうのは、人として好感が持てるってことで、あれだよ。珈琲が好きみたいなそんな感じで」
「俺は何も言ってねえぞ」
「ああ。そうだね。言っているのは私だ。私が勝手に言っただけで」
「さっきから何言ってんだ?旅を始めた時より、やけに口達者になったじゃあねえか」
「そりゃどうも。それより、私が本当に言いたいのは…」
話が随分と逸れてしまい、由来は咳払いの仕草をする。
「ただ、私はDIOの仲間だったなんて、敵に何度も言われて、そんな訳無いと言っている反面、心のどこかでは少し納得しているように思えてしまう」
「!」
承太郎はさっきとは違うように顔色を変えて尋ねる。
「どういう意味だそれは?」