第14章 告白と小さなお別れ
変なことを言う変なカメラマンは、由来ジョースター一行の前から姿を消した。
最後に「人違いをして、すみません」と一言残していったが、明らかに納得かいってないような顔をしていた。
それは由来もまた、
・・・・・
同じだった。
「ジョースターさん。何だったんだよ?アイツは」
ポルナレフは片眉を上げて、ジョセフに問う。
「いやすまん。さっきのカメラマン、ピアノを弾いていた由来を勝手に撮っていて、止めるように言ったら、「彼女に見覚えがある」と言ったんじゃ。我々を錯乱させる罠かと注意したが、スタンド使いでもない、ただの一般人だったようだが」
ジョセフは男が行った方向に目向けたまま言う。
「まあ、似ている顔の奴が世界に3人はいるとも言うし、東洋人だと特に、黒髪黒目寄りで、確かに見分けづらいからな。何かの間違いだろ。なあ由来!」
「………そうですね。何かの、間違いです」
一体、どういうこと…なの……?
由来は、先ほどの男の疑問に対し、心のどこかで
・・・・・・
納得していた。
この街に足を踏み入れた途端に覚えた違和感。
街行く人々や建ち並ぶ建物の位置や構造。さっきまでアンと一緒に街を散策していて、その感覚が、今はっきりと分かった。
・・・
既視感だ。
・・・・・・・・・・・・
(私は、この街に来たことがあるの……?)
記憶に無くても、身体に染み付いているような感覚がある。
記憶のDISCを取り戻したことで、体の記憶が蘇ったのか?
(いや、でも絶対におかしい)
男は、「3年前くらいに、ここで私を見た」と言っていたが、ありえない。
DIOの友人と名乗るプッチという男に襲撃されたのが、大体2年前だ。
そしてそれ以前は………
(…‥私は、
・・・・・・
この世界には……)