第4章 “暗青の月”(ダークブルームーン)と“力”(ストレングス)
「なに?ひきちぎられると、くるいもだえる。
わたしのハイエロファントグリーンは」
ズア!ドスッ!ドス!
シートを伝って四方八方潜ませていたハイエロファントの触手が、クワガタの体を貫いた。
「ひきちぎりると、くるいもだえるのだ。喜びでな!」
やけっぱちのように放ったエメラルドスプラッシュは、敵に当てるための攻撃ではなく敵を追い込むための攻撃。
承太郎のスタープラチナみたいなパワーはもっていないからこその巧みな戦術。
(良かった…私のスタンドじゃ人混みの中では無力だからな…)
花京院のお手柄により敵はようやく倒した。
と思いきや、あのクワガタは飛行機のパイロットをすでに殺していたのだった。
「ブワロロロ~ベロォォォ
わしは事故と旅の中止を暗示する“塔”のカードをもつスタンド!
おまえらはDIO様の所へは行けんン!」
致命傷のクワガタ本体は、DIOを打倒せんとするジョースターに一矢報い、飛行機を墜落させた。
よってジョセフたちは上陸を余儀なくされたのであった。
そして香港。
ジョセフたちはレストランでこれからの旅の進路を話し合っていた。
するとそこにフランス人が助けを求めてきた。
みたところ観光客か何かだろう…
不親切な態度を取る承太郎だが、ジョセフは大人の対応をして一緒に食べないかとを誘った。
そして、オーダーとは全くの予想外料理が来て、フランス人でさえドン引きしつつ、皆しぶしぶ食べ始めた。
確かに見た目によらずおいしいが…
フランス人はその中からスターの形をした人参をはしでとった。
・・・・・・・・
「わたしの知り合いが、首すじにこれと同じ形のアザをもっていたな…」
『!』
(え…?!)
由来を含めて皆はハッとなった。
そうだ。飛行機で思い知らされたじゃあないか
自分たちはいつどこだろうと、監視され襲われてもおかしくない
アヴドゥルはすぐさまマジシャンズレッドで応戦すると、男のスタンドが剣で炎を華麗に切断した。
(何…!)
そのスタンドの名は、“銀の戦車”(シルバーチャリオッツ)
「ポルナレフ…名のらせしていただこう“J”(ジャン)・“P”(ピエール)・ポルナレフ」
やはりDIOに抹殺を命じられたスタンド使いだ。
しかも、今の剣裁きからかなり鍛えられたスタンドと見受けられる。