第4章 “暗青の月”(ダークブルームーン)と“力”(ストレングス)
エジプトへの旅を始めた、ジョースター御一行。
思いがけない形で共に行く仲間もでき、5人はただいまエジプト行きの飛行機に乗っているところ。
搭乗前、由来はジョセフに旅の同行を許可してくれたことでお礼を言った。
が、ジョセフは飛行機内でもずっと考えていた。
彼女の身元やスタンドのことでも、まだ
・・・・・・・
引っかかることはあるが、間違いなく我々の味方である
承諾したのは正しかったはず
あのまま日本に置いていけば、2年前とはいえ…我々がいない隙にまた襲撃される可能性も0とは言い切れない
“我々”(スタンド使い)といてもどっちみち襲撃はされるだろう
だが、状況と彼女の意志を尊重した結果だ
(しかし由来は女の子。旅の続行は危険だと判断したら、スピードワゴン財団の手配をしておこう…)
乗車して何十分後、ジョセフの予想が当たってしまう。
機内にクワガタがブンブン羽音を鳴らして飛び回ってた。
一般人なら、離陸する前に紛れ込んでしまったんだと考えるが、承太郎たちは違う。
それは、我々を待ちかまえていたDIOからの刺客だった。
クワガタスタンドは素早い動きで、あのスタープラチナを上回る速さで承太郎たちに攻撃をしかけた。
一般人の乗客の舌を引きちぎり血文字を書いた。
“Massacre!”(みな殺し!)
アヴドゥルは卑劣な挑発に乗りマジシャンズレッドを出すが、花京院は止めて冷静にさせた。
「アヴドゥルさん。あなたの炎のスタンドはこの飛行機までも爆発させかねないし、ジョジョ…君のパワーも機体壁に穴でもあけたりしたら大惨事。君のホワイトシャドウも、この機内の狭さにその図体の大きさだと敵の的になる」
出会って間もないにも関わらず、花京院は皆のそれぞれのスタンドの特性をよく知っていた。
「ここはわたしの静なるスタンド“ハイエロファントグリーン”こそ、ヤツを始末するのにふさわしい」
花京院は広範囲の攻撃が可能なエメラルドスプラッシュを繰り出した。
しかし、数打てば当たるわけでもなくあっさりかわされ、逆に攻撃を食らった。
「花京院!」
口を切られて這いつくばっても攻撃を続けた。
それはただのヤケクソだと、クワガタはいとも簡単に避けた。
「おれに舌をひきちぎられると、くるいもだえるンだぞッ!くるしみでなァ!」