第14章 告白と小さなお別れ
ポルナレフさんは、レディーファースト思考らしく、たとえ心配するとしても、それほど過干渉はしないから、問題はない。
ジョースターさんは年の功っていうのもあって、この中で最も戦いを積み重ねてきた経験者と見たが、今のところは大丈夫だ。
50年前はまだ世界大戦中だったからね。その頃に青春時代を送っていたとなれば、貫禄やその凄みも違うに決まっている。
左手の義手は、どこで誰にやられたかは知らないが、戦いで負った傷であることは間違いない。
こちらから聞く必要はない。人の傷に触れれば、心の傷に触れることもあるからな…
由来は自分の左肩に触れた。
そして今度は花京院の方に注目した。
花京院くんは……生まれついてのスタンド使いであるが故に、勘がいいけど、それほど深く私に追求しないだろう。
正直私は、彼に同族意識みたいなものは抱いてはいるが、だからといって境遇を分かち合う気はないさ。
(そして……問題なのは、承太郎だ)
由来は最後に彼のことを遠目から見た。
(私が『ウォンテッド』の呪いを両腕に受けていたと気付いたのも、そして、“スタンドと記憶のDISCの一部”を奪われていると気付いたのも、彼だけだった……)
数週間前にスタンドを手に入れたばかりの新参者とは、とても思えない鋭い観察眼。
彼には確かに尊敬の念はあるが、恐怖もある。
(……私が中学だった頃、どこで何をしていたか。
・・・・・・・・
誰と一緒にいたか……そこまで知られるわけにはいかない…)
・・
あれは、彼らだけとの“秘密”だからな。
「おーい。泊まる場所を決めたぞ」
ジョセフは皆を引き連れて泊まり先でチェックインを済ませた。
部屋割りは、ジョセフたち4人の男は二部屋で半々に分かれた。
今回は、ジョセフと承太郎。花京院とポルナレフである。
そして前回と同様、由来とアンは一緒である。