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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第13章 “運命の車輪”(ホウィール・オブ・フォーチュン)



由来は承太郎を誉め、横目で彼の反応をチラッと伺った。

全く照れる仕草などなく、まんざらでもない様子だった。

(この人……本当、表向きでは全く感情を表さないな。まるでロボットみたいだな)

そう思っている由来も、意外と似たもの同士である。


「ところでよ、さっきから何でボーッとしてるんだ?おめーも熱さに参ったのか?」

ポルナレフは運転士ながら、バックミラー越しに由来に聞く。

「……え、ええ。炎の熱に煽られて、少し目眩がしただけです」

「小さい頃から自分の能力に慣れて、熱いのは苦手だったりしてな」

「そうですね。その通りです」

由来は平然を装いながら、さっきの出来事を思い返す。

(聞いたことのない声……でも、あたかも私が体験するような出来事が、頭の中によぎった……)

まさか、未来予知か何かじゃあないよな…


すると今度はジョセフを挟んで真ん中にいるアンが聞いた。

「…由来さん……船の時も、氷を出したけど…もしかして、マジシャンなの?」

『!』

アン以外の皆が、今更気付いく。一般人の前でほいほいスタンド能力を使えば、不思議がるのは当然の反応だ。

「こ…これは……そう、私は、体温が低いんだ」

「!!」

「プッ…」

助手席にいる花京院はつい吹き出した。彼女の言い分があまりに予想外のものだったので。

物静かで能力も性格もクールな彼女から、まさかそんな言葉が出るとは。

「え?体温が低いとそうなるもんなの…?」

「意外とそうなるんだ。よい子はまねしない方がいい」

(由来……本当に嘘が下手なんだな…)

敵の襲撃はあったが、こうして雑談ができるほど状況は落ち着いた。

敵から拝借した乗り心地の悪い車に目を瞑り、ジョースター一行はゆっくりと先へ進む。


由来は承太郎を挟んで、2席右側にいるアンに向けて静かに言った。

「アン。君は承太郎やポルナレフさんの言う通り、これから飛行機に乗って帰るんだ。私からも言っておく」

「……でも…危険がある方がやりがいのある旅というか…それに……」

アンは承太郎を見上げた。

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