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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第13章 “運命の車輪”(ホウィール・オブ・フォーチュン)



うまく言い表せないけど、何か
・・・・・・・・・・・・・
他人の記憶を覗き込んでいるような感覚だった。

知らない声の男女。これは一体……


「由来…!」

「!!」

ビックリして、声が裏返った。隣の承太郎が少し大きな声で呼んできた。

「さっきから何考えている?」

「……いや、別に。それより、私を呼んだって事は、私に何か用かな?」

「ああ。さっき、ちと熱い思いをしたからな。
・・
もう冷やしてくれないか?」

「!!。あ!そうだったね…!気付かなくて悪かった」

由来は承太郎の左側からゆっくり体全体を冷やした。

「相変わらず無茶ばかりするお人だ。まさかあんな文字通り、身を焦がしてまで敵の隙を作るなんて」

「俺の記憶が正しけりゃ、てめーも学校の保健室でも、火だるまになってたじゃねーか」

ポルナレフはハンドルを握ったまま驚いた。

「え!そんなことあったのか…?敵スタンドに襲われたのか?」

ギクッ!

花京院は助手席でばつが悪そうにしていた。

何せ、いくら肉の芽で洗脳されていたとしても、彼女を火だるまにさせた張本人でもあるからだ。

そしてその経緯については、香港から行動を共にしているポルナレフは知らなかった。


由来はある程度、承太郎の体を冷やし終えた。

「ジョースターさん。水筒の水とかありますか?」

「ん?ああ」

ジョセフから水筒を受け取り、水を手のひらに注いで手持ちサイズの氷を作った。

ヒュン!

「自分が特に冷やしたい部分があるなら、これを当てればいいと思うよ。溶けないから濡れることもないから」

承太郎は氷を受け取った。確かに冷たいのに、不思議とずっと持っていられる。

「ああ。ありがとうよ」

「……う、うん」

由来はばつが悪そうに、左側の外の景色へ目を反らした。

「しっかし、あの時承太郎の火を消さなかったが、よく承太郎の考えていることが分かったな由来」

ポルナレフは運転で前を見ながら、後ろの彼女にさっきのことを聞いた。

「……承太郎は頭がいいですから、「能力を使うな」と言ったのには、必ず意味があると思っただけです」

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