第13章 “運命の車輪”(ホウィール・オブ・フォーチュン)
ギュイイイイ~ンッ!
『!?』
ホウィール・オブ・フォーチュンのスタンド車が妙な音を醸し出した。
例えるなら、工事現場でよく聞く、地面を掘るドリルのような音だ。
タイヤの内側から大きなドリルを出した。妙な音はそこから出ていた。
(ま、まさか…!)
ガガガガガガッ~!
車は両方のタイヤの横あたりから、大きなドリルを出して、地面を掘り出したのだ!
そして吸い込まれるように地面へ潜り込み、氷の盾の
・・・・・・・・・・・・
地下を通り越してしまった!
『なぁにィィ?!』
ゴパァーン!!
再びジョースター一行の目の前に現れた。
「キャ~ハハハッ!なかなか味なことするじゃあねえ~か、嬢ちゃんよー?だが、
・・・・・・・・・・・・・・・・
これで効かないことが証明されたな~?」
ま、さか、地面を掘って回避するなんて。想定外だった。
なんて奴だ。私のホワイトシャドウの盾は確かに頑丈だが、地面の下まで防御壁は張られていない。
今まで破られたことが無かったのに、まさかこんな突破口があったなんて…!
(せっかく…力の一部を取り戻したのに……こんなの…あんまりじゃあないか…!)
由来の自信とアイデンティティが一瞬で崩れ落ちてしまった。
顔に出ていなくても、少しショックだった。
「きさまらの脚を狙って、走れなくして、ひき殺してくれるぞッ!」
ドグロロロォ!!
ホウィール・オブ・フォーチュンは再び突進してきた。
「チッ!」
由来は人差し指をクイッと上に上げて、またさらに盾を発現した。
「効かねえっつってんだろ!」
しかし敵は地面を掘って避ける。
「みんな!取りあえず逃げるぞ!岩と岩のスキ間に逃げ込めッ!」
ジョセフは皆を地形が乱れた場所へ誘導した。この平地で真っ正面から戦うのは、不利だと判断したからだ。
由来はその最後尾で、氷の盾を出し続けた。
(確かに通り抜けられて防御の意味はないが、地面を掘るのに数秒ほどのインターバルはある!)
私は皆が安全な場所へ避難するまでの時間を稼げばいい。それだけだ。