• テキストサイズ

白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第13章 “運命の車輪”(ホウィール・オブ・フォーチュン)



(もしこのまま突き落とすつもりなら、全員車の中でミンチになって事故死だ。私含めて)

それか、死体になった私を回収する算段か?

となると、私を生かしておく必要はないということか。

特別扱いされていないようでありがたい。


何せ、この中で最も先に犠牲になるべきなのは、今、身内が1人も残っていない、“私”だからな。


由来の顔つきが変わった。

敵に追い込まれる緊迫した状況でも、承太郎はその瞬間を見逃さなかった。


ギャルルルルル

ポルナレフは何とか押し負けまいと、車をフルパワーでバックさせるが、どうやってもビクともいかない。

「四輪駆動の車輪があっけなく空回りするだけだッ!うおおっ。も、もうだめだ!!みんなッ!車をすてて脱出しろッ」

『え』

ポルナレフはブレーキペダルを離し、シートベルトを外した。

「ポルナレフッ!ドライバーがみんなより先に運転席をはなれるか普通は…!?誰がふんばるんだ?」

花京院がそう言うが、時すでに遅し。

「えっ……ごっ……ごっご、ごめーん。ワァーッ」

抵抗を止めた四輪駆動は呆気なく押し負け、崖に転落してしまった。


「うわあああぁああぁっ!!」

落下した車の中はカオスになった。

重力がバラバラになり、どちらが上でどちらが下か分からない。平衡感覚が狂う。

吐き気を強く感じながらも、由来は後部座席の扉を開けた。

「何をしてるんじゃ由来!?」

ジョセフは帽子を抑えながら、声を上げる。

「外に出て、崖の下に積雪を敷きます…!クッションになって、少しは生存率が上がるはずです」

さっきのトラックとの正面衝突でも、瞬時に大量の雪を作り、衝撃を和らげた。

あれと同じことが出来れば、致命傷は避けられるかもしれない。

とにかく、敵と戦うことになるなら、致命傷はまずい。

/ 443ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp