第3章 DIOの呪縛
『!!』
周りは花京院の時よりさらに驚いた。
「君までも…!」
「まさか…自分も行かなきゃいけないという空気に釣られてるのか?」
そう言うように、ジョセフもアヴドゥルも彼女の同行に賛成し難かった。
(いくらスタンド使いでも…女の子を過酷で危険になりうる旅に連れていくわけには…)
しかし由来は首を横に振った。
「そんなんじゃあありません。私にも一応、DIOに会わなきゃいけない理由があるんです」
「どういうことだ?」
ジョセフやアヴドゥルよりも、承太郎が先に質問した。
(む?承太郎の奴。食いつくように誰よりも早く反応しおった……意外じゃ)
ジョセフはそんなことを思っていた。
「……発端は2年前です。昨日話したように」
「刺客からの襲撃ってやつか?」
由来は黙って頷いた。そして説明を続ける。
「返り討ちにして、目的を聞いたところ……「DIOのためにその才能を使え」とか、「お前の居場所はそこじゃない」とか。訳の分からないことばかりを吐いて、姿を消した。もちろん、断りましたけど」
あんな奴らの仲間になるなんて、それなら死んだ方がマシだった。
「つまりDIOは、君のスタンド使いとしての才能を見出し、刺客を寄越してでも、無理やり服従させようとした。そういうことか?」
ジョセフがそう聞くと、由来は黙って頷いた。
「花京院くんのように、肉の芽を植え付けられなかったのは、不幸中の幸いでしたが……でも、奴らは危険です。あの時、確実に倒すべきでした」
最後の言葉に悔しみの感情が込められていた。物静かな彼女だからこそ、言葉の重みが違う。
「DIOをこのまま野放しにしてはいけない。私も同感です。あの時、やり残したことをやり遂げたくなった。過去に残してしまった真実を見極めたい。だから……」
由来はジョセフ達の反応を伺うべく、口をつぐんだ。