第3章 DIOの呪縛
ゴゴゴゴゴ
「ス…スタンドが…」
苦しそうにしながら由来に抱えられてる愛娘を前に、ジョセフは平静を失いつつあった。
「ジョースター…さん…」
この状況で一番辛いのは、言うまでもなくこの2人。
部外者の自分には、かけられる言葉が何もなかった。
「…ホ…リィ」
承太郎も微かに身震いしていた。
ウオオオオオオ
ドッガアアン
ジョセフは感情的になり、承太郎の襟を掴んで壁に押し付けた。
怒りと悲しみが交差し叫ぶ。
「わ…わしの…わ…わしのも…最も恐れていたことが…おこりよった…つ…ついにむ…娘に…“スタンド”が…」
ガシ…ググ…ギリ
承太郎は狼狽するジョセフの手首を掴んだ。
「言え!“対策を!”」
ズン!
見てただけの由来は改めて、冷静を欠かさない承太郎に驚かされる。
「うう…ひとつ…DIOを見つけ出すことだ!DIOを殺してこの呪縛を解くのだ!それしかない!!」
バーン
この瞬間から、ホリィの命のタイムリミットが始まった。
〈和室〉
ホリィは布団で安静にし、承太郎はそのそばにいた。
彼女の着替えなどは由来がやり、今ちょうど桶に入った水を持ってきた。
ジョセフとアヴドゥルは、今まで念写で作ったDIOの写真一枚一枚を見直してた。
「それが…DIOの写真ですか?」
「ああ。わしは何度も試してきたが、この通り真っ暗しかない」
由来はその内の一枚を取った。
姿もあまり見えないにも関わらず、影だけでも分かる邪悪なオーラ。
(これが奴の姿だったのか……)
由来は桶をホリィのそばに置き、スタンドを急に出した。
「!」
承太郎からすれば1日ぶりにみる白クマスタンド。
この状況に、一体何をするんだ?
シュゥワ~
白クマの周りに冷気を帯びた風が漂い一点に集まる。
カキィーン
両手で持てるほどの大きさの氷ができた。
(氷?)
桶の水の温度を保つために、それを中に入れた。
「む?それが…君のスタンド能力か?」
アヴドゥルの問いに、小さく頷いた。
そういえば、アヴドゥルたちは初見であった。