第3章 DIOの呪縛
シィーン
しかしホリィは来なかった。
(妙だな…)
一方由来は屋敷の中でホリィを探していた。
シーン
(おっかしい…なぜゆえこんな静か?)
由来は早朝に目が覚めて、台所を覗くとホリィの姿を見た。
そこで朝食の支度のお手伝いをして、また女同士の交流を深めた。
ホリィの明るさや優しさに慣れないが、それとは別にとても感謝していた。
(学校に行く前に、せめて一言お礼を言いたかったな…)
こんな朝から、どこかに出かけてしまったのか…
「!」
キョロキョロしながら歩いてると、廊下に匙が落ちているのを発見した。
(何でこんなところまで…)
しゃがんでその匙を拾った。
キッチンでうっかり落としてここまでとんできたのか?
「!」
ゴゴゴゴ
台所から妙な悪寒を感じ取った。
(だ…誰かいる?部屋は真っ暗なのに…)
襖をゆっくり開けてみたら、そこには物が床に散乱していて、強盗かと思ったがその考えはすぐに打ち砕かれた。
理由は簡単。何故なら…
バァーン
ホリィが冷蔵庫のそばで気絶して倒れていた。
「ホ…リィ…さん?」
由来はすぐに駆け寄りおでこに手を当てた。
異常な体温だ。
(熱?しかもこんな高…)
スタンドの冷気で、何とか体温を下げようと試みた。
すると、首の後ろあたりに何かがあることに気付く。
(これは…!)
冷気を行使しながら、彼女をうつ伏せにして衣服をずらして背中を確認すると、茨のようなものがびっしり覆っていた。
触れることができず通り抜ける。まさか…
(スタンド?まさかホリィさんに…スタンドが!?)
衣服を戻していったん冷静になった。
「どうしたのだ?」
そこに運良くちょうどアヴドゥルが、部屋が暗いことに不信に思ってやってきた。
「ほ…ホリィさんが…!」
「何?!」
その由々しき事態にアヴドゥルもまた驚き慌てるも、一目見ただけですぐに分かった。
ホリィはDIOの影響により、スタンドが発現してしまい、それがマイナスに働き彼女を蝕んでいる
このままだと命を落とす…
アヴドゥルの話を一通り聞き終え、由来はホリィさんを抱え直した。
(昨日はあんなに元気だったのに…いや…)
「!」
隣を見たら、話を聞いていた承太郎とジョセフがすぐそこに立っていた。