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白夜に輝く一番星《ジョジョの奇妙な冒険》

第11章 そんな言葉じゃあない



「………」

意識がぼんやりと戻った。

指をピクリと動かした。

目をゆっくり開けると、天井が写った。ここは寝具の上?

天井はシンプルな真っ白で、窓から日が射し込んで眩しい。

(こ、ここは……)

確か、崖に落ちそうになったところを……

ムックリ

ゆっくりと上体を起こしたら、右目がズキンと痛み反射的に抑えた。

「ッ!」

手のひらに布のような感触があり、ようやく気付いた。

(あ……)


違う部屋では、ジョセフと承太郎が、ベッドの上で安らかに寝ているアヴドゥルのそばにいた。

あの後、アヴドゥルが道路で倒れているところを発見し、SW財団と協力してここまで運んだ。

アヴドゥルの頭には包帯が分厚く巻かれ、決して軽傷ではない身なりだ。

「アヴドゥル……」

まさか、お前がこれほど……

(ポルナレフと花京院は恐らく2人で敵と戦っているに違いない。早く合流しなければ)

いや、それよりも……


バタン

『!』

部屋にSW財団の一人が入ってきて報告した。

「兎神由来が意識を取り戻しました」

承太郎とジョセフは目を合わせてから、すぐに彼女の元に行った。

彼女はジョセフたちが今いた部屋の隣にいた。

ここは病院だった。

ことのいきさつはこうだ。

彼女が意識を失った後、ここに運んでSW財団の医師に委ねた。

その後承太郎とジョセフは街中へ行き、他の仲間たちを探した。

そして見つけたのは、アヴドゥルの敵にやられた後の姿。

額に巻いていた白いバンドは血で赤くなり、頭と背中からはかなりの出血の痕が。

背後を刺されて、頭を撃ち抜かれたような傷跡だった。

野次馬たちがいる中、2人は佇んだ。

『アヴドゥル…お前……』

承太郎はアヴドゥルのバンドを握りしめた。

『ッ!』

生き返ったとはいえ、由来の死体を見たばかりなだけあり、承太郎は“仲間の死”というものに、過剰に敏感になっていた。

自分たちの旅とは“こういうもの”だと、改めて実感した。

そして彼も病院に連れて行ったところ、由来の治療は終わっており、彼女が意識を取り戻すまで待っていたというところだ。

そして今に至る。

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