第3章 DIOの呪縛
「う~む、つまり君は…わしらが簡単に信用してることに不安を抱いてる。そういうことじゃな?」
ジョセフが憶測して、由来はそれに頷いた。
「お前さんの言う通り…確かに最初は少し疑った。じゃがわしも、君がスパイだとは考えにくい」
真剣な表情で言うジョセフにも、その根拠があった。
女相手だからとかでなく、ちゃんとしたものが。
「仮に君が敵でここに潜りこんでも、わしら3人…いや4人のスタンド使い相手では一網打尽で勝ち目はない。注意深い君ならそれも想定するはず。だから、君はわしらの敵ではない」
由来はその2人の言葉を聞いて、少し笑みを浮かべた。
「確かにそうですね…すみません。今のは例え話です。少し警戒しすぎて」
宿泊を薦めるのは、監視するためではないかとちょっぴり疑っていた。
しかし、そこまで知ってた上で言ってくれたのは本当の良心だと、由来は少しほっとした。
「信用してとは言いません。ですが…私は少なくともあなたたちの敵ではない」
「分かってる分かってる!わしは正直なレディーは信じる主義じゃ」
女相手には甘く祖父に、承太郎はやれやれと呆れた眼差しを向けた。
(コイツ…信用されてーのかされたくねーのか。いや…まるでされるのを拒んでるみたいと言うべきか)
ギャーギャー喚く女が特に嫌いな承太郎は、その女をとても奇妙に感じた。
高校生らしからぬ警戒心と…何よりスタンドについてやけに詳しい。DIOのことも。
もちろんその承太郎も、冷静さや貫禄も十分高校生らしからぬが…
(今の話を聞く限りただ者じゃねぇ。だからあの時…ケガを負わせるわけにはいかなかった。気絶したり喋れなくなったりしたら困るからな)
少なくとも、
・・・・
この時はそう思っていた。
ホリィが台所からまた来て、由来の返事を聞いた。
その期待を寄せた輝いた目で見つめられ、断る選択はない。
周りを見ても、反対する気もない様子。
彼女の答えは…
「…お、お世話に…なります」
それを聞いたホリィはさらに大はしゃぎ。
「良かったわ~!由来ちゃんも大歓迎よ!まだ他にケガもあるかもしれないし、ゆっくりしていってね」
「…はい」